自身初5連勝も6回途中降板… DeNA大貫をラミレス監督が降板させた“天敵”の存在

DeNA・大貫晋一【写真:荒川祐史】

大貫はヤクルト村上に対し、昨季は許した3安打全てが本塁打だった

■DeNA 6-2 ヤクルト(14日・横浜)

DeNAは14日、横浜スタジアムで行われたヤクルト戦に6-2で快勝した。序盤にリードを奪うと、先発した大貫が6回途中1失点の好投で自身5連勝をマークした。

初回は3者凡退と上々の立ち上がりを見せたが、2回は先頭の村上に二塁打を打たれ、1死からの連続四死球で満塁のピンチを招いた。ただ、ここを古賀の併殺打で切り抜け、3回は8球で3者凡退、4回先頭の青木も三振に仕留めて波に乗るかと思われたところで、続く村上に昨年新設されたライトウイング席まで到達する特大の本塁打を浴びた。

ただ、大貫自身が「ソロホームランを打たれてしまったが、次の打者から切り替えて投げる事ができた」とコメントした通り、次の西浦からは7者連続でアウト。初回から5回までに許した安打は村上の2本のみだった。だが、6回2死から青木に安打を打たれ、村上を迎えたところでラミレス監督は迷うことなく投手を国吉にスイッチした。

「村上のところ以外は素晴らしいピッチングだった」と大貫を称賛したラミレス監督だったが、1点差の2死1塁の場面で、今季防御率1点台をキープしている大貫を早々に交代させたのには理由があった。

「今まで通りではダメなので、次に対戦するまでに対策を考えたい」

昨季、大貫と村上の対戦成績は6打席で5打数3安打1四球。打たれた3安打は全て本塁打だった。今季も7月23日の対戦で3打数2安打、そしてこの日も2打席連続で長打という結果を考えると、「もう少し投げられるようなパフォーマンスを見せていたが、村上のところで代えることにした」という指揮官の決断も当然と言えるものだった。

今季の勝ち試合での登板では最短となる5回2/3での降板に、大貫は「なるべく長いイニングを投げたいと思っているが、今日はそれができず中継ぎの人に負担をかけてしまった」と反省した。もはや天敵というしかない村上については「昨年から打たれっぱなしなので、何かを変えていかなければいけないと思う。今まで通りではダメなので、次に対戦するまでに対策を考えたい」と苦手克服を誓った。

社会人野球の新日鉄住金鹿島から2018年ドラフト3位で入団し、プロ2年目の大貫だが、チームのエースである今永とは同級生にあたる。この日の勝利で大貫は今永と並ぶチームトップの5勝目をマーク。今永は「自分とは投球スタイルも組み立ても違うが、大貫の投球からはしっかりした意図が感じられる。今は自分自身も引っ張ってもらっている感じ。同級生で一緒にローテを引っ張っていきたい」と、同世代のライバルの台頭を喜んでいる。近年は“先発左腕王国”と称されつつあるチームの中で、同じく今季ローテの中心に台頭しつつある平良との防御率1点台右腕が、首位巨人を追うチームの原動力となる。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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