巨人は「難しい球に手を出した」 専門家が語る中日ロドリゲスに手を焼いた理由

巨人・原辰徳監督【写真:Getty Images】

巨人で活躍し、楽天ヘッドコーチを務めた松本匡史氏が解説

■中日 7-4 巨人(15日・東京ドーム)

巨人は15日、本拠地で中日と対戦し、4-7で敗れた。2週連続の対戦となった中日のヤリエル・ロドリゲス投手を前に、7回まで6安打を放ちながらも1得点。8月3日に育成から支配下登録された23歳のキューバ人助っ人に来日初勝利を献上した。現役時代、巨人で活躍した元楽天ヘッドコーチの野球評論家、松本匡史氏は、巨人打線が2試合続けてロドリゲスを攻略できなかった理由について「難しい球に手を出し、ボールを見極められていない」と明かした。

来日初登板となったロドリゲスに6回まで無安打に抑えられた前回8月8日の対戦に続き、巨人打線がまたも同じ相手に手を焼いた。5回まで毎回安打こそ放ったものの、奪った得点は4回の吉川尚の適時打の1点のみ。最速156キロの直球と2種類のスライダーを織り混ぜるキューバ代表右腕をこの日も攻略することはできなかった。

松本氏はロドリゲスの特徴についてこう語る。

「直球は勢いがあるが、指が縫い目にかかっておらず、ツーシームのような握りなので、少し動いているのではないでしょうか。スライダーは縦に落ちるスライダーと、腕を少し下げて投げる横滑りするスライダーの2種類。それが彼の武器だと思う。コントロールは良さそうで良くないので、狙い球を絞りづらい。それが、難しい球に手を出して打ち取られてしまうことにつながっている」

ロドリゲスは「ボールが適度に散らばっていた」

この日、ロドリゲスが奪った三振は9つ。松本氏は「ロドリゲスが三振を奪えているのは、ボールが適度に散らばっているから。追い込まれた後、ボール球に手を出して三振というのが多かった」と言い「右打者、左打者ともに内角を強気に攻めてくる。それをしっかり見逃して、打てる球をしっかり待てるか。チャンスを作るためにはボール球に手を出さず、打てる球を見極めるのが一番。今後、対戦が増えていく中で、引っ張りでは厳しいので、センターから逆方向に打つ気持ちで強く振っていかないといけない」と分析する。

実際、この日、ウィーラー、丸、中島がセンターから逆方向にヒットを放っており、これが攻略への足がかりとなりそう。松本氏は「2戦やってある程度、球種、攻め方がはっきりしてきたと思うので、スコアラーを含め、チームとして攻略法を考え、それを打者全員が徹底していくことが大事。狙い球が決まってくると、打者も配球を考えて打てる」と明かした。

また、新外国人攻略のためにも、岡本、坂本の復調が望まれるいう。この日、坂本はロドリゲスの前に4打数無安打2三振。岡本も2打数無安打1死球と快音は聞かれなかった。

松本氏は「坂本は状態が悪い時は低めのボール球に手が出てしまう。見逃し三振も2つあったが、状態がよくないから打てなかったけど、打てない球ではない」と指摘。岡本についても「本塁打は出ているが、出会い頭。今の打ち方はタメがなく、全くボールが捉えられていない。今日も全打席タイミングが合っておらず、何でもかんでも手を出してしまって打たされている」と話しており、新外国人投手を攻略し、苦手意識を払拭するためにも、打線の鍵を握る坂本、岡本2人の復調が必要となりそうだ。(Full-Count編集部)

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