マスク姿で故人しのぶ 感染対策の中「精霊流し」

コロナ禍で、マスクをするなど感染予防対策をして精霊流しをする市民=長崎市江戸町

 初盆を迎えた故人の霊を西方浄土へ送り出す長崎の伝統行事「精霊流し」が15日、県内各地であった。今年は新型コロナウイルスの影響で中止した市や自治会もある中、長崎市では船が2割減り小型化。担ぎ手や見物客、警備に当たる警察官らはマスクやフェースシールドで感染を予防した。
 同市では夕方から爆竹の音が鳴り響き、そろいの法被や前掛けを身に着けた遺族らが、故人に思いをはせながら船を引いた。
 県警によると、今年県内で2メートル以上の精霊船は522隻(前年の852隻より約39%減)、そのうち同市が333隻(前年の424隻より約21%減)だった。
 同市はコロナ対策として、船の小型化や人が多く集まる場所での見物自粛などを呼び掛けていた。家族と毎年見物にきている同市稲佐町の主婦(51)は「今年は小さい船ばかり、人も例年より少なかね」と話した。


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