F1第6戦スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)

 2020年F1第6戦スペインGPの決勝レースで5位~優勝のドライバーたちが日曜日を振り返った。5位~優勝のドライバーは、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)だ。

■BWTレーシングポイントF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=5位

2020年F1第6戦スペインGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

 スタートがうまく行かず、ランス(・ストロール)にも抜かれてしまったが、何とか挽回していいレースができた。1ストップの戦略を機能させるには、かなりのリスクが伴ったと思う。それでもどうにか成功したのは、懸命なタイヤマネージメントとチームの素晴らしい仕事があったからだ。ランスとのバトルも楽しんだが、優先すべきはタイヤを温存することだった。

 5秒のタイムペナルティを受けたことには落胆させられた。ルイス(・ハミルトン)に譲る最初の機会がターン1への進入だったことを考えれば、公平な判定だったとは思えない。

 ともあれ、重要なのは5位の座を守り、チームに多くのポイントを持ち帰れたことだ。復帰戦としては上出来で、すぐにスピードを取り戻すための手助けをしてくれたチームに感謝したい。

ランス・ストロール 決勝=4位

2020年F1第6戦スペインGP ランス・ストロール(レーシングポイント)

 スタートラインからの蹴り出しが良く、チェコ(セルジオ・ペレス)と(バルテリ・)ボッタスのメルセデスを抜いたことで、いいレースをするお膳立てができた。メルセデス勢と戦う立場にないことは分かっていたが、数周にわたって3番手を走れたのは素晴らしい気分だった。いずれにしても、今日は4位以上は望めなかった。

 チェコとコース上で少しの間、バトルができたのも良かった。見ていたオットマー(・サフナウアー)は、また何本か白髪が増えたかもしれないけどね! 僕はレース中に2ストップに切り替えたが、それで順位を上げることができたし、その後(セバスチャン・)ベッテルを抜き、さらにチェコのペナルティでひとつ順位を稼いだ。

 今日はタイヤマネージメントがすべてで、この暑さのなかでは簡単ではなかったけど、何とかやりきった。レース終盤には黒い雲が来て、太陽を遮ってくれたので助かったよ。チームが素晴らしい仕事をして、大量にポイントを獲れたので満足だ。スパへ行くのが楽しみで仕方がない。あのコースは僕らのクルマに合っているはずで、さらにポイント獲得を狙えそうだからね。

■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
バルテリ・ボッタス 決勝=3位

2020年F1第6戦スペインGP表彰台 優勝ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 もちろん、とてもがっかりしている。3位になるためにここにいるのではないからね。スタートがすべてだった。あまりいいスタートができず、いくつかポジションを落としたんだ。何が起きたのか、詳しいことはこれから調べるけれど、結局のところ、後ろのマシンが僕のトウ(スリップストリーム)を得て、抜いていった。

 このコースはレース中にオーバーテイクするのが本当に難しい。トラックポジションがすべてだ。つまり、ポジションを落とすと、その後とても苦労することになる。スタートが違っていたら、結果はまるで違うものになっていたと思う。

 ファーストスティントでは、遅れを取り戻すために必死にプッシュしなければならなかった。その部分はうまくやれたと思う。セカンドスティントでは、ずっとマックスの後ろを走り続けたが、ここはかなりのタイム差がない限り、オーバーテイクするのは困難だ。

 終盤はフリーピットストップが可能だったので、新品タイヤに交換してファステストラップを記録した。

 全体的に、望んでいたようなレースにはならなかった。でも時にはこういうこともある。決勝のデータをすべて分析し、次のレースに役立てる。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=2位

2020年F1第6戦スペインGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2位を獲得

 2台のメルセデスの間に割って入ることができ、素晴らしい結果だと思う。今日彼らはとても速かったので、この結果に満足している。全体的に今回もとてもいい週末を過ごし、大量のポイントを稼げたことに、満足していいだろう。

 いいスタートを決めて、早々にバルテリをパスできたことがカギになった。ファーストスティントでなんとかルイスについていこうと全力を尽くしたけれど、彼らのマシンの方がペースがよかった。今日のルイスは速すぎた。

 その後は自分自身のレースに集中した。マシンの感触はよかったよ。終盤バルテリがピットに入り、激しい追撃を受けるものと覚悟した。でも僕はその時のタイヤに満足していたし、彼は結局追いついてこなかった。

 2位はもちろんいい結果だ。でも僕らはこの位置にいるために戦っているわけじゃない。僕らは勝つためにここにいるのだから、勝てない限り、100パーセント満足することはない。

 今日は2台のメルセデスの間に入れたから、もちろんもっとルイスを追いかけたかった。でも現実的に考えよう。今は彼らのマシンの方が速いんだ。

(自身の公式サイトに対して語り)スタートでボッタスを抜いたことが重要だった。序盤ハミルトンはタイヤを労わることに集中していた。僕も同じことをしていたが、後ろにレーシングポイントがいたので、あまりペースを落とすことができなかった。その後、ボッタスがレーシングポイントを抜いたので、ますますペースを落とす余裕がなくなった。ハミルトンはその後、ペースを上げて、自分のリズムで走り始めた。そうするともう彼についていくことはできなかった。

(最初のピットストップの時期をチームに延ばされて苛立ちを示し「ルイスではなく自分たちのレースに集中しよう」と主張したことについて語り)4周にわたって、タイヤが終わったと言い続けていた。もちろんその時ピットインすれば、トラフィックの中で戻ることは分かっていた。でもフレッシュタイヤを履けば、(レーシングポイントを)簡単にオーバーテイクできる。僕はそれよりもバルテリにアンダーカットされるのが怖かった。最終的にピットインしたが、僕としては2周遅すぎたと思った。あそこで大量にタイムを失う結果になったんだ。理想的ではなかったね。

 1回目のピットストップの後は自分自身のレースをして、タイヤに気を配って走った。

(レース後の会見で、パワーユニット交換について聞かれ)データに異常が見られたから、前のエンジンに戻しただけだ。全く問題ないよ。

 今日は優勝争いには参加していなかった。レース中にも言ったことだけど、他のチームのことに気を取られすぎることなく、自分たちのことに集中すべきだと思う。結局のところ、他のチームがやることをコントロールできるわけではないのだから、自分自身に集中し、改善を目指し、競争力の向上を図るべきなんだ。ソフト寄りのコンパウンドだとかブリスターだとかいう要因に頼るのではなく、自分たちのマシンとエンジンからもう少しパフォーマンスを探り出し、競争力を改善することが大事なんだ。

■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=1位

2020年F1第6戦スペインGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝

 信じられないような気分だ。終盤は完全に放心状態で走っていて、最終ラップだと分からないほどだった。そういうゾーンに入っていたんだ。こういう気持ちを前回いつ経験したのか、思い出せない。最近タイヤの問題に悩まされていただけに、本当に驚いたし、特別な勝利に感じる。

 前戦学んだことをすべて今週末に持ち込んだ。それで今日いい走りをすることができた。チーム全員の努力のおかげだ。ハードワークに励み、努力し続けている、ファクトリーの全員に心から感謝する。

 完璧なスタートを決め、その後はタイヤマネジメントに集中した。気温が高く、過酷なコンディションだったけれど、タイヤを守り、チェッカーまで持っていくことに気持ちを集中させた。こんな結果を出せるなんて信じられない。

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