岐阜が3位、東京は2位 「国際結婚」の割合が最も多い県は?

日本における国際結婚割合は、2018年で3.7%と決して高くはありません。50組に2組もいないなんて意外だ、という方が多いのではないでしょうか。
外国人パートナー比率はバブル期あたりに割合が増える傾向はあったものの、その後また低下しています。

良し悪しの意見はここではさておき、日本は移民割合も低いことから、多民族国家とは程遠い国ということだけはいえるでしょう。


意外と知られていない「外国人パートナーの多い県」

そのような状況から当然のことではあるのですが、外国人パートナーをもつ男女の多い都道府県、と聞くとなんとなく「東京都でしょ!」と思う方が多いかもしれません。

ところが意外なことに、東京都は1位ではないのです。

今回は、「外国人パートナーを持つ夫婦が多い都道府県」「都道府県別の外国人妻と外国人夫の割合」を読者の皆さんにご紹介したいと思います。
外国人パートナーも視野に入れた婚活を考えている方のちょっとした参考データになればと思います。

1位は世界的メーカーのお膝元

早速、2018年に成婚した都道府県別の夫婦総数に占める「一方が外国人」夫婦の割合をランキング形式でご紹介します。

2018年に外国人パートナーをもつ男女の成婚割合が最も高かった都道府県は、東京都ではなく、なんと愛知県でした。

読者の皆さんがまずは思い浮かべる東京都は僅差ながら2位です。さらに、愛知県の隣の県、同じ中部エリアの岐阜県が3位にランクインしているのも意外な結果だと思う読者は少なくないかもしれません。

愛知県に居住経験がある人にとっては、この結果は「言われてみれば、なるほどね」という結果のようです。愛知県は世界のトヨタのお膝元のエリアです。トヨタ関連会社の従業員が占める割合が大変高い県ですが、この結果を見た愛知県に住んでいた経験がある方によると「工場の期間工に外国人女性が多いというか、ほとんどが外国人女性というイメージがあるので、わかる気がする」とのことでした。

この話からすれば、一方が外国人、といっても「妻が外国人」の割合が高そうです。

そこで、同じ統計で調べてみると、全国的には外国人パートナーを持つ夫婦に占める「妻が外国人」の比率は69%ですが、愛知県は79%と、外国人妻比率がかなり高くなります。隣接する岐阜県も85%とやはり高い外国人妻割合を示しました。

一方、2位の東京都の外国人妻比率は60%と低くなることからも、やはり、トヨタ関連工場の女性期間工からの外国人妻説、は妥当性が高いように感じます。

外国人夫なら沖縄県、九州圏、大都市圏

愛知県や岐阜県の状況からもわかりますが、「外国人パートナー」の中身については、かなり地域性で差が生じています。
そこで、外国人パートナーといった場合、外国人妻が多い傾向なのか、外国人夫が多い傾向なのかがわかる表を次に示しておきます。

外国人パートナーといえば外国人妻、という傾向が強いのは東北エリアです。外国人パートナーに占める外国人妻比率が8割以上の18エリアの上位に、岩手県、福島県、山形県、秋田県と、東北6県のうち4県が入っています。また中部エリアも多く、岐阜県、長野県、新潟県、静岡県と4県ランクインしています。

反対に、外国人夫が多い傾向のエリアの代表は沖縄県です。沖縄県の外国人パートナーに占める外国人夫割合はなんと8割で、全国傾向から大きく外れた値を出しています。これについては米軍基地のイメージが強いエリアでもあることから、読者にとって納得の結果といえるかもしれません。
以上については、昭和世代の思い描く外国人パートナーに近い実態のエリアともいえるでしょう。

ところで、沖縄県以外に、外国人パートナーに占める外国人夫割合が3割を超えているエリアが12エリアあります。

特徴としては、東京都、大阪府、神奈川県、といった大都市を抱えるエリアに加えて、割合が高い順に長崎県、福岡県、大分県、宮崎県と4県がランクインしている九州エリアが目立っていることが挙げられます。ちなみに彼らの国籍ですが、統計上は、その他の国、韓国・朝鮮、アメリカ、中国の順で割合が高くなっています(エリアごとに差はあります)。

どこの国の相手であっても大事なこと

近畿エリアのある結婚相談員の方から「かなり交通の便の悪いところに住んでいる50代男性が婚活をしている。若い女性にこだわっているので、外国人女性はどうか、と勧めたところ、外国人はまだちょっと……と。打つ手がないです」とのお話がありました。

パートナー選びについて確率論でいうならば、条件を挙げれば挙げるほど、該当する相手は限りなくゼロに近づきます。
例えば、ある会場に集まった男女を身長・体重・学歴順にならべ、その真ん中あたりの方をそれぞれ「普通」と呼ぶとします。

普通の身長以下はイヤ、普通の体重以下はイヤ、普通の学歴以下はイヤ、といってしまった時点で、8人に1人程度になります(厳密な計算では、ある条件とある条件が強くリンクする場合もあるので確率は多少変わるのですが、単純化するためにここでは省きます)。

つまり、3つの「普通」の条件を言ったとたんに、10対10イベントで1人いるかどうか、という相手を欲しがっていることになるのです。

それよりも、相手と様々な考えについて話し合いができるかどうかだけが、長い人生を共に過ごす相手選びにおいては重視すべき点なのではないか、と筆者は思うのですが、いかがでしょうか。

最後にこの言葉を紹介して、終わりたいと思います。

結婚するときはこう自問せよ
「年老いても、この人とよく話し合っていられるだろうか」
それ以外のことは、月日とともに変化していくことばかりだ (ニーチェ)

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