絶滅した飛べない鳥類「ペンギンモドキ」の化石 長崎で発見 世界最古級 9月30日まで、西海市大瀬戸歴史民俗資料館で一般公開

ペンギンモドキ=プロトプテルム科コペプテリクス(イラスト提供・山本匠)

 長崎県の西海市教育委員会と福井県立恐竜博物館などは18日、同市大瀬戸町の海岸にある約3400万年前の地層から、絶滅した飛べない鳥類「ペンギンモドキ」の骨の化石が見つかったと発表した。世界最古級という。

 ペンギンモドキは鵜(う)の仲間と考えられている「プロトプテルム科」の通称。約3500万~1800万年前に北太平洋沿岸に生息し、11種が確認されている。ペンギンのように海に潜って魚を捕食していたとみられている。
 最古級の化石は2016年、当時の市教委学芸員、森浩嗣さん(蒲郡市生命の海科学館学芸員)が見つけた2点のうちの一つ。長さ13.7センチ、幅4.2センチ、厚さ1.5センチの右太ももの骨。市内では過去にもペンギンモドキの化石が見つかっている。
 化石は福井県立恐竜博物館でのコンピューター断層撮影(CT)や文献調査などで米国、福島、佐賀で見つかった最古級化石と同年代と分かったが、別種とみられる。同館の宮田和周主任研究員は「地球の環境変化により、ペンギンモドキは初期の段階から種の多様化が進んでいたことを示している」と話した。
 化石は19日から9月30日まで、西海市大瀬戸歴史民俗資料館で一般公開される。市教委は「市内ではこれまでにも恐竜の化石が出ている。展示や講座などを通して、市民に知ってもらいたい」としている。

世界最古級のペンギンモドキの化石=西海市教委提供

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