いばらきアマビエちゃん 県民の登録義務化へ

10月上旬 条例施行目指す

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「いばらきアマビエちゃん」の登録を義務化する条例を制定する方針を発表する大井川和彦知事=県庁

新型コロナウイルス感染対策と社会経済活動の両立に向け、茨城県は、感染者と接触した可能性がある人にメールで通知する茨城県独自のシステム「いばらきアマビエちゃん」を条例化し、事業者登録と県民の利用登録を義務化する。罰則は設けないが、指導に従わない場合は事業所名を公表する方針。登録事業者への支援策や利用登録者へのプレゼントキャンペーンなどインセンティブ(動機付け)も充実させ、いわば「アメとムチ」でシステムの利用促進を図る。9月の県議会定例会に条例案を上程し、10月上旬の施行を目指す。

大井川和彦知事は18日の臨時会見で条例案の概要を発表。「県として(「アマビエちゃん」の)さまざまな利用促進策を取ってきたが、実際に利用を徹底するには、条例による強化が必要。意識の高い一部の人たちの取り組みに終わらせない」と強調した。

条例案では、登録とそれに伴う宣誓書の掲示について、指導しても取り組みを実施しない事業者に対し、勧告を経て事業所名などを公表するとした。

登録を義務付ける事業所は、スナックやカラオケ、パチンコ店、飲食店など「第1波」での休業要請・時間短縮営業の対象施設やクラスター(感染者集団)発生業種のほか、新たにホテルや百貨店、ショッピングモール、美容院、結婚式場、葬儀場などを加えた。一方、学校や病院、介護施設等、食品スーパーなどは対象から外した。

罰則を設けなかった理由について、大井川知事は「当初は必要と考えたが、いばらき自民党との調整の中で不利益処分に対する抵抗感が強く、公表にとどめた」と説明した。

義務化を進める一方、登録事業者に感染防止対策経費の一部を助成するほか、利用登録者を対象とした県産品などのプレゼントキャンペーンも実施する。

このほか、県が感染状況把握のため実施する行動調査等に関して、県民に対する検体提出や採取への協力、事業者への調査実施への協力を義務付ける。感染者などへの「差別」やそれに基づく不当な扱いの禁止も盛り込み、正しい知識の普及を目指す。

条例案について、県は31日までの2週間、県民向けにパブリックコメント(意見公募)を実施する。

県によると、17日現在、同システムの登録事業所は1万6260件、利用登録は10万7377件。18日までに感染者が立ち寄った6施設に関し、接触可能性がある登録者へ44件のメールを送信した。

★「いばらきアマビエちゃん」
県が新型コロナウイルス対策として6月末に運用開始した独自システム。店舗やイベント会場に掲示したQRコードを携帯端末で読み取ってメールアドレスを任意で登録させ、後日、感染者が出た場合、同日に同施設を利用した人にメールで注意喚起する。メールでは感染者との接触の可能性を知らせ、帰国者・接触相談センターなどへの相談を呼び掛ける。

「いばらきアマビエちゃん」の登録事業者が店頭で掲示する宣誓書