#スポーツのチカラ 大分県高校総体 バスケットボール女子 悔しさからスタートする中津北

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 県内負けなしの中津北が決勝で敗れるという予想外の事態が起きた県高校総体バスケットボール女子。伝統校のプレッシャーをはねのけ、連覇を続けてきた彼女たちに足りなかったものは何だったのか?

 

 対戦チームが「わかっていてもやられてしまう」と口をそろえる速いボール展開、最後まで足を止めることなく相手にプレッシャーを与え続ける粘り強いディフェンス。随所で“中津北スタイル”を繰り広げて勝ち上がった決勝戦の相手は、中津北の壁を越えられず準優勝が続いていた大分だった。中津北の大津留礎監督が「リズムに乗り損ねた」と振り返ったように、初優勝にかける思いを全力でぶつけた大分の中津北対策が一枚上手だった。試合終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、気丈に振る舞っていた選手たちだったが、試合後のミーティングでは悔し涙を流していた。

 

 例年であれば、新1年生が加わる春先から県高校総体までの間は、個の力やチーム力が一番成長する期間。「一番伸びる時期を奪われてしまった」とやり場のない悔しさを募らせる大津留監督。今大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で十分な練習ができなかった。けがのリスクが伴うため、県高校総体への出場はギリギリまで悩んでいたという。なぜなら、高校バスケットボールにおいて全国高校選手権大会(ウインターカップ)に出場することが最大の目標であり、中津北はウインターカップでのベスト8を目標にチームを作っていたからだ。

 

決勝では食い下がったが、あと一歩及ばなかった

 無理をさせないという判断もあったが、「先輩たちがつないできた優勝旗を戦わずして手放せない」との選手の意向を尊重し、出場を決めた。出場するからには優勝を狙ったが、本調子には遠かった。大会後、大津留監督は「相手の努力を認めた上で、自分たちに足りない部分もわかった。もう一度この夏の練習で強化して、ウインターカップに備えたい」と、次の目標に向けてさらに強い中津北の復活を目指すと誓った。

 

 エースでキャプテンの木下菜月(3年)は本来の力を発揮できず自分を責めたが、スコアラーとしての役割は十分に担った。チームとしても歴代のチームディフェンスの力強さに及ばなかったが、最後まで全員で戦い抜いた。勝者の誇りと自信を胸に進むのもいい。しかし、悔しさから踏み出す道のりも悪くはない。勝負の世界の厳しさを知った選手たちは、確実にこの悔しさを力にしてさらに強くなるはずだ。

 

次はチャレンジャーとしてタイトル奪還を狙う木下菜月

(黒木ゆか)