健康不安説

 安倍首相にお疲れさま、ご苦労さまを言いませんか-と、首相の激務をねぎらうタレントのツイート「#安倍総理お疲れ様です」が話題を呼んだのは5月の終わり頃だったか▲それから2カ月半。〈大きめのマスクを着け始めたのは顔色を隠すため〉〈昼間、官邸で誰とも会わずに過ごす「休憩」の時間が長くなっている〉と、無遠慮な“分析”が少し前から一部で続いている。週刊誌では執務室での「吐血」が報じられた。安倍晋三首相の健康不安がささやかれている▲「数日でいいから休ませなければ」と側近が語り、17日には慶応大病院で約7時間半にわたる診察を受けた。6月に人間ドックを受けたばかりという。普通に想像するのは、何かの「再検査」や精密検査なのだが▲首相は昨年11月、第1次内閣からの通算在任日数が明治時代の桂太郎を抜いて1位になった。今月24日には連続在任日数でも大叔父の佐藤栄作の2798日を抜いてトップに立つ。そんなタイミングの健康不安説▲健康や体調の問題は極めて高度なプライバシーである。軽々しい言及は控えなければならない。ただ、首相は公人中の公人。政治的立場や支持・不支持を超えて、その健康は国民全体の気掛かり▲短い夏休みを終え、首相はきょう公務に戻る。発言や動向が注目される。(智)

 


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