新型コロナ、冬に流行か

県衛生研、疫学調査を分析

©株式会社山形新聞社

 県衛生研究所(県衛研、水田克巳所長)が10年間に及ぶコロナウイルスの疫学調査から、新型コロナが冬季に流行する可能性が高いとの見解をまとめたことが18日、分かった。冬季の感染拡大や季節性インフルエンザとの同時流行の恐れがあり、これらは症状で区別がつきにくいことから検査体制の拡充が必要と指摘している。

 研究成果は国立感染症研究所(東京)の国際学術論文に掲載される見通し。長期にわたるコロナウイルスの研究から、新型コロナの感染流行期を示唆した報告は全国的に例がないという。県衛研は近くホームページで研究成果を公表する。

 県衛研によると、コロナウイルスは新型コロナ以外に世界的にNL63(発見年2004年)、HKU1(同05年)、OC43(同1960年代)、229E(同)の4種類が確認されている。小児を中心に発熱や鼻咽頭炎など風邪の症状を引き起こし、このうち遺伝子形態でHKU1、OC43が新型コロナと類似している。

 県衛研は山形大医学部感染症学講座と山辺こどもクリニック(山辺町)との共同研究で、コロナの流行期について疫学調査を行ってきた。同大がデータ解析で助言し、同クリニックは検体を提供。10年1月から19年12月までの10年間で県内の15歳以下の小児を対象に、4種類のいずれかのウイルスが検出された722検体の感染時期を分析した。

 その結果、4種類のコロナウイルスの合算で症例報告の月別最多は2月の171件で全体の23.7%、1月は156件で同21.6%を占めた。3月113件(同15.7%)、12月78件(同10.8%)と続き、冬季に集中している。最少は9月6件(同0.8%)で、2番目に少なかったのは8月12件(同1.7%)だった。

 県衛研は新型コロナの遺伝子形態がコロナウイルスの一部と類似しているため、「新型コロナも冬季に流行する恐れがあり、インフルエンザを含めた同時流行の可能性がある」と指摘している。

 水田所長は取材に対して「新型コロナは別のコロナウイルスと違って多くの人は免疫がない。流行期について注視するとともに検査体制の拡充が求められる」と語っている。