クイーン+アダム・ランバート、初のライヴ・アルバム発売決定。ライヴ・エイド初再現も完全収録

クイーン+アダム・ランバート(QUEEN+Adam Lambert)による初のライヴ・アルバム『Live Around The World(ライヴ・アラウンド・ザ・ワールド)』が2020年10月2日に発売されることが決定した。CD、CD+DVD、CD+Blu-ray、そしてアナログ盤の各フォーマットでのリリースとなる。

クイーン+アダム・ランバートとしての現在までに計218公演のコンサートを数え、総動員数は3,659,232人を記録。彼らのライブ・アルバムが映像商品の付属ではなく、CDや配信といった公式音源として発売されるのは今回が初となる。

クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラーがアダム・ランバートと初共演を果たしたのは、2009年、ランバートが出場していた米人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』シーズン8のフィナーレに2人がゲスト出演した時のことだ。以来、クイーン+アダム・ランバートは躍進の一途をたどり、世界最大の動員力を誇るツアー・バンドの一つとなった。最も近いところでは、オセアニア・ツアー(2020年2月)を完売。中でもシドニーのANZスタジアム公演では、一夜限りのライヴに記録を塗り替える6万人以上の観客が詰めかけた。それを含め、これまでに彼らは世界各地で累計400万人近い観客を動員している。

もしも時を異にしていたなら、今頃ブライアン、ロジャー、アダムの3人は、ヨーロッパ9カ国27公演という、さらなる大規模ツアーを終えたばかりのはずであった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年夏に予定されていた英欧ツアーは来年への延期を余儀なくされた。クイーン+アダム・ランバートはそれを念頭に、今回の延期で落胆している約50万人のチケットを保有するファンの人々に、慰めとなる何かを行おうと、その方法を模索した。

そこでまず彼らが目を向けたのがYouTubeだ。 彼らにとってYouTubeは、以前よりなじみ深いプラットフォームであり、バンド公式チャンネルの登録者数は1,250万人を数える。彼らは特別に、<クイーン+アダム・ランバート:ツアー・ウォッチ・パーティー>と題するオンライン・イベントを開催。これは、彼らが今までに世界各地で行ってきたツアーのライヴ映像から様々なハイライトを選び抜き、約1時間にまとめた番組を公開するという企画だった。

世界規模でライヴ活動が一時的な機能停止状態に陥っている状況の中、このような形で世界各地のファンから積極的な参加を得られたことは、「それでもショウは続けることが可能だ(“The show could still go on”)」という証明となった。だが強く心を動かされたのは、この特別番組を視聴した50万人以上のファンだけではない。深い感銘を受けたのは、バンド自身も同様であった。

ライヴ・アルバム『Live Around The World』に収録されるのは、彼らがこれまで世界中で行ってきたコンサートのハイライト集で、今回初めて音源化・映像化が実現したものも含め、ロジャー、ブライアン、アダムの3人が、延べ200公演以上の中から自ら選りすぐった内容となっている。

Xavier Vila – Copyright Miracle Productions LLP

アルバムに収録される演奏は、ブラジルとポルトガルの両国で開催されたフェスティバル<ロック・イン・リオ>をはじめ、イギリスの<ワイト島フェスティバル>、日本の<サマーソニック>、全英および北米ツアーから厳選した幾つかの公演の抜粋、そしてロックダウン(都市封鎖)前に行った最新ライヴのうちの一つであるオーストラリア・シドニーで開催された森林火災復興支援チャリティ・コンサート<ファイア・ファイト・オーストラリア>などの模様だ。

<ファイア・ファイト・オーストラリア>でのパフォーマンスは、クイーン史に燦然と輝く1985年の<ライヴ・エイド>出演時と同じセット、つまり「Bohemian Rhapsody」「Radio Ga Ga」「Hammer To Fall」「Crazy Little Thing Called Love」「We Will Rock You」「We Are The Champions」に、さらにフレディ・マーキュリーと観客の伝説的な掛け合い「Ay-Ohs」をも加えてフルで再現したもので、22分間に及ぶステージ丸ごと全曲が、全てのフォーマットに収録されている。

CDの収録トラック20曲に含まれているのは、「Don’t Stop Me Now」や「I Want To Break Free」をはじめとするクイーン・ファンに長年愛されてきた曲に加え、フレディ・マーキュリーが作詞・作曲した 「Love Kills」や「I Was Born To Love You」のクイーン+アダム・ランバートver.などのレア音源も収録。

本ライヴ・アルバムは、CD、CD+DVD、CD+Blu-ray、そしてアナログ盤の各フォーマットでリリースされ、そのうちDVDとBlu-rayには、ロジャー・テイラーが同じくドラマーの息子ルーファス・テイラーと共演した「Drum Battle」や、ブライアン・メイによる10分間の「The Guitar Solo < Last Horizon>」といったパフォーマンス映像が追加収録されている。

クイーン+アダム・ランバートがこれまでにリリースした唯一の楽曲、すなわちロックダウン・ヴァージョンの 「You Are the Champions」は、YouTubeでの公開から最初の1ヶ月間で400万回近い再生回数を記録。その全収益は、『WHO(世界保健機関)のための新型コロナウイルス感染症連帯対応基金』に送られる。

来年への延期が決定しているクイーン+アダム・ランバートの<ラプソディ英欧ツアー>全27公演は、2021年5月23日のイタリア・ボローニャ公演を皮切りに、途中6月、イギリスはロンドンO2アリーナでの計10日間にわたる長期公演を挟み、7月7日のスペイン・マドリッド最終公演まで、全日程が再設定済みだ。


メンバーコメント

「恐るべきウイルスという敵に世界が支配されている状況下で、ライヴ・ショウを製作するという難題に取り組む中、過去7年間にわたり我らが兄弟アダム・ランバートと共に行ってきたクイーンのショウから厳選したライヴ・ハイライト集を制作するなら、今が完璧なタイミングだと思ったんです。今回が初めてなんです! ここに収録されている曲を観たり聴いたりした皆さんは、私たちと一緒に世界中を旅して回り、完全なヴァーチャル・ライヴ・セットを体験することになります。このライヴ・コレクションのクライマックスは、今年初めにシドニーで開催された森林火災復興支援チャリティ・コンサート<ファイア・ファイト・オーストラリア>で<ライヴ・エイド>時のクイーンのセットをフルで再現した時の模様です。あれは大義のもとに行われた歴史的イベントで、1985年のオリジナルの<ライヴ・エイド>以来、恐らく最高レベルのアドレナリンが放出されたと思います。あの唯一無二の瞬間を、全世界の皆さんと共有できることを特に嬉しく思っています」(ブライアン・メイ)

「僕らはずっとツアー、ツアーであまりに忙しかったから、今までこういったクリップをじっくり見る機会がなかったんです。だから、このバンドがどれほど素晴らしい音を鳴らしているのか、自覚がなかった。それで、この8年の間にアダム・ランバートと一緒に行ったコンサートの中から、ハイライトを集めたライヴ・アルバムを作るのはどうかと考えたんです」(ロジャー・テイラー)

「今年はツアー出来ないことになったので、その代わりになる何かをファンに届けたいと思ったんです。そしてライヴ・アルバムは、正にうってつけだと感じました。クイーン+アダム・ランバートとして一緒にアルバムをリリースするのは初めてだし、過去7年間のパフォーマンスの中からお気に入りを選び出してまとめるのは、とても楽しかったです」(アダム・ランバート)


クイーン+アダム・ランバート『Live Around The World』
2020年10月2日発売

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