新型ウイルスのパンデミック、「2年未満で」収束する可能性=WHO事務局長

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世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は21日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が2年未満に収束するのを期待すると述べた。

テドロス事務局長はこの日、スイス・ジュネーヴのWHO本部での記者会見で、1918年に流行したスペイン風邪の収束には2年かかったと説明。現在の技術革新によって、新型ウイルスの感染拡大を「それより短期間で」終わらせられる可能性があるとした。

「もちろん、人と接触する機会が増えれば新型ウイルスが拡大する可能性は高くなる」

「しかし同時に、我々にはそれを阻止する技術と知識がある」とテドロス氏は述べ、「国の結束と世界的連帯」の重要性を強調した。

スペイン風邪では少なくとも5000万人が死亡した。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型ウイルスではこれまでに世界全体で80万人近くが死亡し、2280万人以上が感染している(日本時間22日午前現在)。

防護具めぐる汚職は「殺人行為」

テドロス氏はまた、個人用防護具(PPE)に関連した汚職問題について質問が及ぶと、そうした行為は「犯罪」であり「どのよな汚職も容認できない」と答えた。

「PPEに関連した汚職は(中略)私にとっては実質的に殺人行為だ。医療従事者がPPEなしに治療にあたることは、我々が彼らの命を危険にさらしていることと同じだからだ。そして、治療を受けている人々の命も危険にさらすことになる」

今回の質問は、南アフリカでのマスクや防護服などの調達をめぐる汚職疑惑に関連したものだったが、多数の国が同様の問題に直面している。

ケニヤの首都ナイロビでは21日、パンデミックの最中の収賄疑惑をめぐる抗議デモが行われた。一方で同市内の多数の公立病院の医師たちは、賃金未払いや防護具不足をめぐりストライキを起こした。

メキシコの流行規模について誤認

WHO健康危機管理プログラム責任者のマイク・ライアン博士はこの日、メキシコで発生した新型ウイルスのアウトブレイク(大流行)の規模について「明らかに認識が不十分」だったと述べた。

ライアン博士によると、10万人あたり約150人がウイルス検査を受けているアメリカと比べ、メキシコでは10万人あたり約3人に留まる。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、メキシコでの死者数は6万人近くに上っており、世界で3番目に多い。

一方アメリカでは11月の大統領選に向けて、野党・民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領が、ドナルド・トランプ大統領のパンデミック対応を非難している。

バイデン氏は「現大統領は国家に対する最も基本的な義務を怠っている。我々国民を守れず、アメリカを守れなかった」とし、「お互いを守るための愛国的な任務」としてマスクの着用を義務化すると約束した。

アメリカでは21日に新たに1000人以上の死亡が確認され、累計死者数は17万5308人に上っている(米ジョンズ・ホプキンス大学集計、日本時間22日午前時点)。

他国の状況は

多数の国で21日、ここ数カ月で最多となる新規感染者が確認された。

韓国では324人の感染が確認され、1日の感染者数としては今年3月以降で最多となった。

前回のアウトブレイクと同様に、今回も教会が感染源になっている。首都ソウル市内と周辺地域では現在、博物館やナイトクラブ、カラオケ・バーが閉鎖されている。

欧州諸国でも感染者数の増加がみられる。

21日にはポーランドで903人、スロヴァキアでは123人の感染が確認された。1日の感染者数としては過去最多だ。スペインとフランスではここ数日で感染者数が劇的に増加している。

レバノンでは1日の感染者数がパンデミック開始以降で最多となったことから、夜間外出禁止令を含む部分的なロックダウン(都市封鎖)が敷かれた。

首都ベイルートで少なくとも178人が死亡し、数千人が負傷した4日の大規模な爆発事故後、感染者数は2倍に膨れ上がっている。

この大惨事で推定30万人が家を失い、医療施設に大きな負担がかかった。

(英語記事 Pandemic 'could be over within two years'