ノドグロ水揚げ減少受け 網目拡大など提案 底引き網業者側に

 対馬特産の高級魚アカムツ(ノドグロ)の水揚げが減少していることを受け、対馬市漁協組合長会は21日、沖合底引き網で対馬沖のアカムツを漁獲している「山口県以東機船底曳網(そこびきあみ)漁協」(下関市)に対し、稚魚を逃がすため網目を広げることなど計3点の資源管理策を提案する方針を臨時総会で確認した。
 ほかの提案内容は、対馬沿岸の漁業者と同漁協加盟底引き網業者らとの間で2012年に設定した「アカムツ資源保護区域」(約80平方キロ)の拡大と、同区域での操業自粛期間(毎年8月16日から1カ月)の延長。
 同区域のある対馬市厳原町佐須沖では16日、一部の底引き網業者が機器の故障のためとして区域外で漁獲した稚魚を含むアカムツを海上投棄したことが確認されている。厳原町漁協によると、2016年度に同漁協佐須支所で水揚げされたアカムツは5万キロ超だったが、17年度は3万キロ台、18.19年度は各1万キロ台と低迷している。
 臨時総会は県対馬振興局で非公開で開かれ、対馬市漁協組合長会の部原政夫会長は終了後、取材に「対馬のアカムツはこの数年、漁獲量だけでなく、魚も小さくなっている。資源管理に向けてお互いにプラスとなるよう(年に2回程度開かれる)底引き網業者との協議会で提案したい」と話した。

 


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