長崎大司教区 神父2.5億円無断流用 海外事業への投資など

 カトリック長崎大司教区の会計担当だった男性神父が2013年ごろ、大司教区内の資金計約2億5千万円について無断で流用していたことが21日、関係者への取材で分かった。海外事業への投資などに使われたとみられる。
 関係者によると、男性神父は大司教区内の意思決定機関に諮ることなく、投資や貸し付けに流用した。資金は新設する教会の建設費に充てる予定だったという。18年以降実施した内部調査で明らかになった。警察への被害届の提出は見送っている。
 19年2月、大司教区側は所属する聖職者ら約120人を集めた場で資金流用について説明した。その際、人権分野の相談員だった女性職員が、別の聖職者から意図的に男性神父を陥れたかのような言いがかりをつけられ、会場内から暴言を浴びせられるなどのパワハラを受けたとし、労災申請している。
 今月中にも再度、聖職者に対して資金流用について説明する場がもたれ、来月にも教区報で信徒に対して報告される見込み。
 流用について、ある教区関係者は「聖職者がすべきことではない。責任を問う必要がある」と苦言を呈した。

 


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