飼育員さんが生き物の質問募集→子ども「ウルトラマンになりたい」 回答に「感動」「絵うますぎ」

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「淡路ファームパーク・イングランドの丘」飼育員の後藤敦さん=兵庫県南あわじ市(後藤さん提供)

「園で飼育していない生き物のことでも知ってる範囲ならできるだけお答えしていきたいと思います。お子様に寄り添った飼育員でいたいです。@(・●・)@」

動物施設の飼育員さんのツイッターが注目を集めています。投稿したのは、兵庫県南あわじ市の農業公園「淡路ファームパーク・イングランドの丘」で飼育員を務める後藤敦さん(38)。

同園では「生き物のなぜ?に飼育員が答えます!」を開催中なのですが、「飼育していない生き物でも…」という後藤さんの思いを知ってか知らずか、子どもたちからは恐竜やウルトラマン、実在しない未知の生物への熱い気持ちが寄せられています。子どもたちのピュアな投げ掛けに、イラスト付きで真摯に答える後藤さんに話を聞きました。

質問数は1カ月で100件超

同園内に質問箱を設置したのは7月23日。約1カ月で100件を超える質問が寄せられています。内容は「なんでどうぶつのうんこは くさくないんですか?」「コアラの はなのサイズは どれくらい?」といった動物あるあるネタから、「なりたい うるとらまん ええす」といった七夕短冊の願い事のようなものまで。

「なりたい うるとらまん ええす」七夕の願い事みたいでほっこり(イングランドの丘ツイッターから)

平仮名で一生懸命に書いた「ざりがに ひよこ きんぎょ」というほほえましいメッセージには、3つの生き物を掛け合わせた未知の生物を図鑑並みの絵ヂカラでレスポンス。「なりたい うるとらまん ええす」という願いには、「全力で応援しますね!」。自身の特撮愛を織り交ぜつつ、職業選択の道筋をアドバイスします。

飼育員さんに聞きたいことは「ざりがに ひよこ きんぎょ」(イングランドの丘ツイッターから)

―ネット上で「感動した」「素敵な飼育員さん」「見習いたい」と絶賛の嵐です。

「まさかここまで反響があると思っていなかったので、とてもうれしいですが、恥ずかしくもあります。共感していただけることは本当にうれしく思います」

―企画が生まれたきっかけは。

「もともとは上司から『夏休みの自由研究に役立つようなイベントはできないか』という提案がきっかけでした。昨年の夏に初めて実施したところ、お子様たちから思いもよらない角度の質問が寄せられ、答える側としても刺激的でおもしろかったので、今年もやることになりました」

―回答も大変なのでは?

「業務終了後や休憩時間に回答を書いているので、たくさんの質問になかなか回答できなくて申し訳なく思っています」

後藤さん「絵の勉強したことない」

<絵うますぎ><この画力ほしい><絵のクオリティー>と回答の画力にも注目が集まります。実はイラスト担当も後藤さん。飼育員であり、プロ並みの画力を持つ、後藤さんの素性とはーー。

リアル過ぎる恐竜のイラストにネット興奮(イングランドの丘ツイッターから)

―過去に絵の勉強をなさっていたのでしょうか。

「絵は子どもの頃に好きでよく描いていました。大人になってからは今回のように仕事で少し描くことはありますが、プライベートで描くことはほとんどないです。絵の勉強もしたことはありませんが、美術館で絵を鑑賞したり、絵本を読んだりするのは好きです」

ガンダムやブルーナさんに

―愛とユーモアあふれる回答が魅力です。ご自身を分析すると、どこで培われた能力だとお思いですか?

「幼い頃から現存する生き物と同じくらい、絶滅した恐竜や実在はしないけどゴジラやウルトラマンなど怪獣特撮ものやSFものの映画が好きでした」

「恐竜の復元デザインは、現存する生き物の肌の色や質感などから想像することしかできないので、図鑑によってデザインが違い刺激的でした。また、怪獣なども実在する生き物をヒントにデザインされていることが多いので、想像力を膨らませて楽しんでいました」

「ガンダムなんかも好きだったからか、意識はしていなかったのですが今回の『ザリガニヒヨコキンギョ』にはどことなくメカっぽさがあると一部の方からはコメントをいただいておりました」

―影響を受けた人物は?

「挙げてよいのか分かりませんが、故ディック・ブルーナ氏のデザインは少ない線と配色で一見とてもシンプルに見えますが、よく見ると絶妙な角度や線の震えなどを巧みに使い分けることで、見れば見るほどたくさんの情報が伝わってきます」

「年齢や性別関係なく、たくさんの人を感動させられるお仕事をされる方には常に憧れます」

高校時代「部屋中が生き物だらけ」

―飼育員を目指していた?

「子どもの頃からとにかく生き物全般が好きでした。昆虫や小魚を捕まえてきては飼育してというのは多くの方が経験すると思うのですが、学生になってからもそれが抜けなくて、高校生の頃は部屋中が生き物だらけでした。自分の好きなことを仕事にできたら素敵だなと思い、動物飼育を専門とした専門学校に入り、運よく飼育員になることができました。好きなことをやらせ続けてくれた両親には感謝しています」

子どもたちと後藤さんとのやりとりは、園内ではコアラ館観覧通路、インターネット上では同施設公式ツイッターアカウントで見ることができます。

「本来は夏休みだけの掲示のつもりでしたが、好評につきしばらくは展示し続けてみようと思います」(後藤さん)

「どうぶつのうんこはくさくない?」後藤さんの回答は…(イングランドの丘ツイッターから)
目がリアル過ぎる…実物大イラストで回答(イングランドの丘ツイッターから)

(まいどなニュース・金井 かおる)