「24時間テレビ43」BMX選手の兄妹を襲ったオリンピックがない2020年の試練

現在、日本テレビ系で放送中の「24時間テレビ43『愛は地球を救う』 」(8月22日午後6:30~23日午後8:54)。V6・井ノ原快彦、NEWS・増田貴久、Kis-My-Ft2・北山宏光、ジャニーズWEST・重岡大毅、King & Prince・岸優太をメインパーソナリティーに迎え、「動く」をテーマに東京・両国国技館からさまざまな企画を生放送。昨日22日には、歌舞伎役者の市川海老蔵が日本全国に元気を届けるために企画した、一夜限りのスペシャル歌舞伎パフォーマンス「市川海老蔵 広末涼子 柳葉敏郎が動く 失われた日本の夏、ふるさとの祭り」や、重岡が主演を務めたスペシャルヒューマンストーリー「誰も知らない志村けん -残してくれた最後のメッセージ-」を放送。さらに、「嵐にしやがれ 24時間テレビスペシャル」では「メインパーソナリティー記念館」と題し、メインパーソナリティーの人生を深掘り。また、「フライングディスク最速リレー」のギネス世界記録達成を目指し、嵐と対決を繰り広げるなど、笑いと感動の場面が次々と届けられた。

午後2:40頃、佐藤栞里が登場し「笑ってコラえて!特別編オリンピックのない夏…BMX兄妹の2020年」が放送された。2年前、同系バラエティー番組「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」は、ある兄妹を取材。彼らの父は、自転車競技・BMXのオーストラリア代表選手。兄・榊原魁(さかきばらかい)選手、妹・爽(さや)選手の2人は東京オリンピックが開催されていたら大活躍していたはずだった。

BMXとは2018年・北京オリンピックから正式種目となった自転車競技。勝負は30~40秒ほどで決まり、スピードと激しさから「自転車の格闘技」と呼ばれている。魁選手は3歳から、爽選手は4歳からBMXに乗り始めると、みるみる成長し、18年には兄妹そろってオーストラリアのトップに。東京オリンピックのメダルは手を伸ばせば手の届くところにあった。

そして20年2月、自国オーストラリアでオリンピック前哨戦ともいうべきワールドカップが開催。しかし、魁選手はレース中、第2コーナーに入る手前、インコースから追い抜こうとしたところでバランスを崩し、頭から転倒。救護員の判断によりドクターヘリが出動し、近くの病院へ搬送された。検査の結果、脳出血のため脳圧が上昇していることが分かった。緊急手術が行われ、脳圧は下がったが安静を保つため、麻酔により自発呼吸を止められ、昏睡(こんすい)状態に。ドクターからは「どこまで回復するか分からない」「植物状態になる可能性もある」と言われる。

事故から4日後の2月12日、榊原家は「これからの数か月、“#kaifight77”と共に、魁を思ってサポートしていただけたら幸いです」とコメントを発表。「77」は魁選手の選手番号。ユニフォームやナンバープレートに示される、野球やサッカーでいう背番号にあたる。この発表を受け、世界中のBMXファンがSNSでエールを送った。

ところが、新型コロナウイルスの影響により、東京オリンピックの延期が決定。爽選手はモチベーションに悩むが、4月1日から魁選手のリハビリが始まった。そして家族は、言語療法や運動療法など、リハビリの様子を撮影することにした。不屈の精神力を見せる兄を見た爽選手は「魁が頑張っている姿を見て、東京オリンピックの延期にショックを受けている場合ではないな…と。1年延びたことに対して、自分に足りないパワーを付けるチャンスがあったことに気付いて、前向きに考えるようになって、2人のために頑張りたい」と思うようになったと明かす。爽選手は2021年の金メダルに向けて、魁選手は、明るい明日に向けて再び走り始めた。

さらに、両国国技館とオーストラリアの中継をつなぎ、現在の家族に話を聞いた。魁選手は、右半身に後遺症があり、リハビリに専念しているという。母・由紀さんは「ポジティブに考えて、絶対に良くなると強く思って、回復を信じた」と話した。そして、8月23日は爽選手の誕生日でもあり、魁選手は「Happy birthday! 爽ガンバレ」と精いっぱい言葉を発した。最後に井ノ原は「兄妹の絆を感じた」と感動を伝えた。

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