春名風花、誹謗中傷への裁判から示談まで2年の苦労を激白

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。8月7日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、声優の春名風花さんが“ネットでの誹謗中傷”について述べました。

◆批判と誹謗中傷は違う

春名風花さんと母親がTwitterに嘘の内容を投稿され、名誉を傷つけられたとし、書き込みをした人物に対し慰謝料などを求めていた訴訟は、被告側が春名さん側に315万円を支払うことで示談が成立。春名さんは刑事告訴を取り下げました。

訴訟を始めてから2年、実際には誹謗中傷と向き合うようになってから長い年月があり、訴訟に至るまでも紆余曲折を経て、苦労があったという春名さん。裁判の件が報道された際、「悪口ぐらいで……」と言われたこともあったそうですが、春名さんは「批判と誹謗中傷は明確に違う」と言います。

例えば、給食当番が人気メニューのカレーをこぼし、謝罪した際、「次からは気をつけてね」と返答するのは注意・批判。「カレー食べたかったな」は感想。そして「ここからは全て法律で裁かれる部類」と言い、例を挙げたのは「土下座して謝って」は行き過ぎた正義による暴力。さらには、「無視しようぜ」や「死ね」はいじめ・犯罪、「お前の給食も食べられないようにしてやる」は復讐だと春名さん。

そして近年、誹謗中傷に対する意識が高まってきたことは嬉しいと喜びつつも、やり返そうとする人も出てきているそうで「それは逆に相手に対する脅しになってしまう」と注意を促します。一方で、声を挙げられず、誰にも相談できない人もいる両極端な現状を危惧。

総じて春名さんは、「最終的には裁判所が判断してくれるので、違和感を感じたら弁護士に相談に行ってほしい」と言います。弁護士に相談となると時間やお金がかかる上に何も残らないと思われがちですが、春名さんは「声を挙げたという事実は自分のことを強くしてくれたと思う」と自らの体験を吐露。現在は誹謗中傷に対する意識も高まり、費用もそれほどかからずに話を聞いてくれる弁護士もいるだけに、「自分1人でやり返すのではなく、声を挙げないでもなく、淡々と法律的に裁けることなのか判断してほしい」と訴えます。

一方で、誹謗中傷をする人たちに向け、「軽い気持ちで言っているのかもしれないけど、言葉は人を簡単に傷つけ、殺してしまう」と忠告。さらには、「愚痴や悪口を絶対に言うなということではなく、それをそのままぶつけたら相手がどう思うのか、画面の向こうに人がいるという感覚を持ってほしい」と話します。

◆春名さんが声を挙げた理由

MCの堀潤からは、Twitterにおける証拠保全に関して質問が。それに対し、春名さんは「とりあえずスクリーンショットは必ず撮ること。そして、URLも撮ることが大事だと聞いた」と言います。というのも、スクリーンショットは画像加工できてしまうのであまり証拠にならず、URLはページが消されても存在していたことが証明でき、Twitter上で消してもプロバイダーにはしばらく記録が残っているから。

また、SNSの犯罪が少なかった春名さんが小学生の頃は、警察に訴えてもスクリーンショットを全てプリントアウトして持ってきてくれと言われたり、警察が家に来てパソコンの画面を写真に撮ったりし、「何の証拠になるんだろう」と思ったこともあったとか。それだけに、「本当に正しい情報は自分で掴まないとなかなか手に入らない。たくさん調べてほしい」と主張する一方で、今回の訴訟に関して「うまく示談になることもないし、裁判に進んだとして勝てた保証もない。でも、戦う人が増えればみんなの意識が変わる。何かのきっかけになると思うので、できる人は声を挙げてほしい」と願っていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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