2度目の歴史的快挙を達成した琢磨、チームのSNSで「やったよ!」インディ500マルチ勝利20人目のドライバーに

 第104回インディアナポリス500マイルレースの決勝が8月23日に開催され、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから参戦する佐藤琢磨が、2017年以来のインディ500制覇を成し遂げた。

 予選3番手を獲得し、フロントロウから伝統の一戦に挑んだ佐藤琢磨。序盤から上位で争い、一時はトップのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)と10秒差をつけられるも、158周目にトップに浮上。

ミスのないピット作業で佐藤琢磨を後押しするクルーたち

 最後のピット作業で再びディクソンに前を行かれるも、すぐにホームストレートでディクソンを交わし、前を走る周回遅れもしっかりとパスし、トップで残り5周を迎えた琢磨。しかし、ここでスペンサー・ピゴット(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がピットレーン入口のウォールにクラッシュし、イエローコーションとなる。

 大きなアクシデントとなったため、イエローコーションのまま残り5周を消化。琢磨は2017年以来2度目となるインディ500制覇を達成した。

 インディ500を複数回制したドライバーは、琢磨で20人目。スポット参戦するエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)を除けば、フルエントリーでは唯一のマルチウイナーだ。

 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから挑んだ2012年。ラストラップでトップのダリオ・フランキッティにアタックし、スピンを喫してから8年。今回の勝利でオーナーのボビー・レイホールに大きな忘れ物を届けることとなった。

チームのSNSでは琢磨は「やったよ! みんな、応援ありがとう! 僕が今、ここで座っているこの最高のマシンで、みなさんの応援のお陰ではここに来ることができました。チームは素晴らしい仕事をしてくれて、僕らは1位と3位を獲得できました。(レイホールで優勝を惜しくも逃した)2012年以来の悲願の優勝を果たすことができて、ボビー(レイホール)、デイビッド(レターマン)、そしてチームスタッフみんなに感謝しています!」と、報告。

 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのインディ500勝利は、2004年のバディ・ライス以来となる。

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、2018年のオフにインディ500で数々のポールを獲得しているベテランエンジニアのアレン・マクドナルドを獲得し、チーム力をアップ。今年は予選で佐藤琢磨とグラハム・レイホールがファストナインに進む強さを見せ、決勝レースでも琢磨が勝利を果たし、レイホールも3位と大きな成功を収めた。

琢磨の勝利を喜ぶレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのクルーたち

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