JR九州 長崎県内3路線 減少続く 2019年度輸送密度 コロナ影響も

県内3線路の利用状況

 JR九州は24日、2019年度の路線・区間別の利用状況を公表した。1キロ当たりの1日平均乗客数を示す輸送密度は、長崎、佐世保、大村の3路線で、同社が公表を始めた16年度と比べ3年連続で減少した。
 長崎線は、諫早-長崎が前年度比857人減など全5区間で減少。佐世保線は469人、大村線は256人それぞれ前年度を下回った。旅客運輸収入も減少した。輸送密度は近年の減少傾向に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2、3月にイベントの中止や延期、休校、移動控えが広がり、利用が落ち込んだことも響いたとみられる。
 九州新幹線を含む全22路線のうち、被災による不通などの影響で単純比較できない路線はあるが、前年度と比べ18路線で輸送密度が減少。福岡市近郊の篠栗線、香椎線など4路線は増えた。一方、国鉄分割民営化の際に鉄道輸送に不向きとされた輸送密度4千人未満は、全61区間(不通などの影響で非公表の2区間含む)のうち27区間だった。
 JR九州は5月、18年度の輸送密度が2千人未満の路線・区間を対象に営業損益を初めて公表。一部区間の沿線自治体と利用者増に向け協議を始めている。


© 株式会社長崎新聞社