ボルボ XC40が電動化! プラグインハイブリッド「Recharge Plug-in hybrid T5」導入

ボルボ XC40 Recharge Plug-in hybrid T5(プラグインハイブリッドモデル・2020年8月25日発表) 注記:撮影車両はボルボ・カー・ジャパンの初期導入テスト車両(2020年モデル:日本未導入)のため、2021年モデルとは細部が異なります

PHEV追加と同時に他のXC40も48Vハイブリッド化で早くもシリーズの電動化を完了

2017年、プレミアムブランドとして初めて全モデル電動化を推進すると世界に宣言し話題を呼んだボルボだが、いよいよここ日本でも動き出す。

この4月にはSUV「XC60」「XC90」に48Vマイルドハイブリッドモデル「B5」を導入し、それまでのガソリンモデル「T5」と入れ替えを図ったばかりだが、今度はコンパクトSUV「XC40」にプラグインハイブリッド(PHEV)モデル「XC40 Recharge Plug-in hybrid T5」を新規導入する。

同時に、これまでのXC40ガソリンモデル「T4」「T5」についても、2021年モデルより48Vハイブリッド「B4」「B5」へ置き換えを図ることで、XC40シリーズの電動化がここでイッキに完了した。

さらに今後ボルボ・カー・ジャパンでは、同社初の100%バッテリーEV(BEV)「XC40 Recharge」を2021年中にも国内導入する予定で、48Vハイブリッド、PHEV、BEVと、ボルボが定義する電動化モデルの3タイプ全てがXC40のラインナップで勢揃いすることになる。

初採用の1.5リッター3気筒 ガソリン直噴ターボと新型7速DCT+電気モーターの組み合わせ

日本で最も売れるボルボ車「XC40」

ボルボ XC40 Recharge Plug-in hybrid T5(プロトタイプのため細部の仕様が最終モデルとは異なる)

ボルボ XC40は、2018年に日本導入されたコンパクトSUV。2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤーや欧州カー・オブ・ザ・イヤーをはじめとする数々の受賞で幕開けしたXC40は、2019年には世界で13万9000台余りと好調なセールスを記録。日本でも年間4594台を売り、国内におけるボルボ車の販売No.1を占める主力車種へと発展した。

いまコンパクトSUVが流行りのど真ん中なカテゴリーなのは確かだが、兄貴分のXC90やXC60の単なるダウンサイジング版ではなく、XC40独自の個性的なキャラクターを有し、ボルボが世界に誇る先進安全・運転支援機能は上級モデル同等の機能を標準装備するなど、人気者となる理由は確実にある。

そんなXC40に今回追加されたプラグインハイブリッド、XC40 Recharge Plug-in hybrid T5について詳しく解説しよう。

設計段階からEV化を想定した自社開発プラットフォームをフル活用

「CMA(コンパクト・モジュラー・プラットフォーム)」(画像はBEV仕様)

ボルボ XC40登場時に新規開発されたプラットフォーム「CMA(コンパクト・モジュラー・プラットフォーム)」は、もともと電動化を想定し、48Vハイブリッドやプラグインハイブリッド、さらには100%ピュアEVまで対応可能とうたわれているもの。

XC40 Recharge Plug-in hybrid T5では、フロントにエンジンとモーターを配し大容量のリチウムイオンバッテリーはセンター部に搭載することで、それまでのガソリンモデルと変わらない室内空間や荷室容量を確保しているのが特徴だ。

また、約94kgある重量物のリチウムイオンバッテリーを車体中心部に置くことで、車両の前後重量配分も60:40とやはりガソリンモデル同等としている。これは単に走行性能ばかりではなく、ボルボが何よりも重視する安全の面でも有利にはたらく。

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充電可能なモデルにRechargeの名が冠される

XC40 Recharge Plug-in hybrid T5のパワートレインは、新採用の1.5リッターDrive-E 3気筒 ガソリン直噴ターボエンジン(180ps/265Nm)と、新型7速デュアルクラッチ式トランスミッション(DCT-H)に直接マウントされる電気モーター(60kW/160Nm)を組み合わせたもの。駆動方式はFF(前輪駆動)のみの設定だ。

WLTCモードのEV走行換算距離(等価EVレンジ)は41.0km。WLTCモード燃費は14.0km/Lをマークする。

なおボルボではこれまで、XC60などのプラグインハイブリッドモデルでは「Twin Engine(ツインエンジン)」と呼称していたが、今モデルから「Recharge Plug-in hybrid(リチャージ・プラグインハイブリッド)」の名前に変更した。

ちなみに前述の100%バッテリーEVは「XC40 Recharge」となり、充電可能なモデルにRechargeの名が冠されることがわかる。

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XC40 Recharge Plug-in hybrid T5の価格は649万円(消費税込)。他モデルに比べればそれなりに高価だが、エコカー減税やCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金の合計約44万円を差し引くと、48Vハイブリッドの上位モデルとほぼ同等の価格帯となる。

さらにXC40 Recharge Plug-in hybrid T5はパノラマ・ガラスサンルーフや本革シート、スウェーデン・オレフォス社製のクリスタルシフトノブや、流木をイメージしたドリフトウッドパネル、フロントパワーシート、前後シートヒーター、パワーテールゲートなど贅沢な装備を標準化しており、割高感を抑えた。

ベースのXC40も48Vハイブリッドに一斉置き換え

ISGMを用いたマイルドハイブリッド仕様が標準化

注記:撮影車両はボルボ・カー・ジャパンの初期導入テスト車両のため販売モデルとは細部が異なる

XC40 Recharge Plug-in hybrid T5導入に併せ、通常のガソリンモデル「T4」「T5」は全て48Vハイブリッドモデル「B4」「B5」に変更される。

48Vハイブリッドは、2リッターガソリン直噴ターボエンジンに、スターターモーターに代わり最高出力10kW・最大トルク40Nmを発生させるISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)を加え、エンジン始動や発進加速をアシストするマイルドハイブリッド。ブレーキ回生もISGMで行い、48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電させる。

新世代仕様となった2種類のパワートレイン「B4」と「B5」を用意

エンジン自体はB4が最高出力197ps(145kW)4800-5400rpm、最大トルク300Nm/1500-4200rpmを発生。B5は最高出力250ps(184kW)/5400-5700rpm、最大トルク350Nm/1800-4800rpmのハイパワー版となる。B5 AWD R-Designの燃費は12.8km/L(WLTCモード燃費)。

ともに従来のT4・T5エンジンに対し、エンジン自体も大きく改良を加えた新世代版となった。

価格はXC40 B4 409万円から、XC40 B5 AWD R-Design 589万円まで。なお2021年モデルでは、通常3年の新車保証を5年付帯するサービス「ボルボ・ワランティ」を導入する。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:MOTA編集部/ボルボ・カー・ジャパン]

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