馬毛島への基地建設に反対表明を要請 市民団体

 鹿児島県西之表市にある馬毛島に米軍空母艦載機陸上離着陸訓練基地が計画されていることに対し「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」は24日、塩田康一知事に「訓練移転と基地建設に反対する意思を表明するよう」要請書を手渡した。西之表市内での署名5038筆を含む2万7869筆の署名写しも添えた。塩田知事は賛否の姿勢を明確にしていない。9月県議会での知事答弁などが注目される。

 団体は昨年12月、当時の三反園訓知事に同様の申し入れを行っていたが、回答が示されないまま、知事が新しくなった。

要請書では「(この問題は)西之表市だけの問題ではない。2009年に防衛省が示した訓練空域は半径45キロメートルで、種子島・屋久島はもちろん、三島村、南大隅町にも掛かっている」と指摘。反対署名は全国から25万筆を超え、この団体に届いているとしている。

 要請では「政府が米軍の空母艦載機陸上離着陸訓練の恒久的な施設として、馬毛島に自衛隊基地を造ろうとしている。(ここで訓練が実施された場合)西之表市民はもとより熊毛、南大隅の住民は耐え難い騒音による健康被害と訓練機事故の危険性に永久にさらされ続けることになり、地場産業や観光業への影響は計り知れない。戦争が生じたときには相手国の攻撃目標になる」と反対理由にあげている。

 現在、米軍空母艦載機陸上離着陸訓練は山口県にある岩国基地部隊が約1400キロメートル離れた東京都の硫黄島で行っている。馬毛島に訓練基地ができれば岩国基地からは約400キロメートルになる。

 政府は米軍空母艦載機陸上離着陸訓練実施基地にするとともに、自衛隊が護衛艦「いずも」を事実上、空母化し、そこに艦載するF35B(短距離離陸・垂直着陸ができる最新鋭ステルス戦闘機)の離発着訓練基地にもする計画。(編集担当:森高龍二)

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