長崎県内 10万円特別給付金 未支給は4億円超 21日時点 給付率は99%超 佐世保、時津、31日締め切り

佐世保市の特別定額給付金の受付窓口=佐世保市松浦町

 新型コロナウイルス対策として国民1人当たり10万円が配られる「特別定額給付金」。長崎県内のほとんどの自治体で申請が締め切られたが、21日時点で未支給の総額は4億2120万円に上る。今月31日まで申請を受け付ける佐世保市と西彼時津町は「できるだけ多くの人に配りたい」と追い込みを掛けている。
 各市町は住民票がある世帯主宛てに申請書を送付。県によると、県内の給付対象は計63万4801世帯。全員に行き渡れば給付予定金額は計1343億1970万円になる計算だ。
 全21市町のうち19市町は25日までに申請を締め切った。給付率は全市町で99%を超えているが、計3451世帯が未給付。締め切りが迫る佐世保市は1037世帯(給付額計1億6130万円)、時津町は114世帯(同1360万円)が受け取っていない。
 余った給付金の予算は全額国庫に返納される。各市町は地域経済の活性化にもつながるとみて、給付率の向上に取り組んできた。
 北松小値賀町は各地区の公民館に職員が出向いて申し込みをサポート。全1245世帯のうち、未支給は連絡が取れなかった1世帯1人だけだった。担当者は「きめ細やかな対応ができた」と胸を張る。
 一方、県内最多の20万7212世帯が対象だった長崎市は21日現在で1442世帯(同1億3360万円)に給付されていない。20日に申請は締め切ったが、確認中の書類があり、担当者は「最終的に未支給は千世帯弱になる見込み。自治体の規模が大きく、これ以上減らすのは難しい」とつぶやく。
 佐世保市は、申請が済んでいない世帯に通知文書を送付して“督促”。住居がない人や1人暮らしの高齢者は手続きが難しいケースがあるため、ホームレスの支援団体や介護施設とも連携しながら申請を呼び掛けている。
 ただ、給付金の予算は「ほかのことに活用するべき」と考える市民もおり、数十人が「受け取らない」と意思表示しているという。担当者は「公平性を保つため、できるだけ一律に給付金を配りたい。まだ申請していない人がいないか地域でも声掛けをしてほしい」としている。


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