珠海経済特区成長の40年:同特区の都市がお互いに協力し、より大きな発展へ

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【珠海(中国)2020年8月26日新華社=共同通信JBN】中国が最初に南西部の沿岸地区で経済特区(Special Economic Zones、SEZ)を実施したのは1980年のことで、珠海はその1つだった。改革開放の試験区として、SEZは海外の投資家に向けた優遇税制の他にも簡略化された通関手続きや法規制が少ない環境を提供した。

今年、珠海SEZは40周年を迎える。珠海市情報局によると「この40年で、珠海は珠江デルタで最も広い開発空間、最高の開発環境と政策を持った都市の1つになった」。

開放によって珠海はより魅力的になり、発展への潜在能力が解き放たれた。多くの外資系企業が珠海にきて、質の高い企業が迅速な成長を経験した。

香港資本の企業Print Rite GroupはSEZのチャンスを掴み、珠海にPrint Riteプリンターリボン製造工場を設立した。Print Rite Holdings Co., Ltd.の取締役会会長He Liangmei氏は「珠海は香港とマカオに近いが、土地と労働のコストが低い。政府はイノベーション、トランスフォーメーション、アップグレードを行う企業を支援している」と述べた。現在、そうした企業は世界120を超える国と地域に製品を輸出している。

珠海が多国籍企業から人気の地になった理由は、効率的な規制体系と便利な通関手続きによるものである。今年の第1四半期、珠海は既に機器製造、新素材、情報技術から医薬品まで、58億米ドルを超える金額の、30以上の新たな重要プロジェクトに調印した。

長期的に見れば、資本維持のために珠海は投資家に提供する恩恵を洗練・拡大して競争優位性を継続的に保つ必要がある。この点、珠海は次の戦略優位性を特定している。それはマカオと深センとの協力を深め、人的資本、テクノロジーや資金提供といったリソースの効率的割り当ての拠点を構築することである。

港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)が珠海、香港、マカオを結んだことで、これまでより密接になった。この橋により、これまで4時間30分の運転が必要だった珠海から香港への所要時間は劇的に短縮し、1時間以内になった。

港珠澳大橋が開設された後、多くの多国籍消費財企業が珠海に倉庫を置くことに関心を向けている。企業は低い固定費と効率的なサービス、それと共に管理職レベルの人材を求めることが容易な珠海の力を享受できるからである。

Ding Liqiang氏は、このインフラストラクチャーが珠海にもたらした劇的な変化に非常に詳しい。Ding氏は越境eコマース事業が専門の企業を設立する目的で珠海にやって来た。現在、その事業は過去3年間、50%以上の売上増を記録している。Ding氏は、珠海は物流の拠点、最新サービスの隆盛地、そして中国と海外の市場を結ぶゲートウエーになれると信じている。

珠海市党委員会書記のGuo Yonghang氏は、珠海はマカオとの協力を強化するために政策支援を提供して協力分野を拡大しただけでなく、新興産業の開発に熱心に取り組んで、広東とマカオの間により深い協力区域を構築するよう計画している。

マカオと珠海の協力において重要地域の珠海横琴自由貿易区はシステムイノベーションでの10年の開発で440件超の成果を積み重ねた。現在、同区の年次GDP平均成長率は64%である。

いま、深センとの協力によって珠海の成長がさらに高まっている。Guo氏は「珠海は国際的競争力を持った最新の産業システム構築のため、深センの産業移転リソースを引き受けるイニシアチブをとり、ハイエンド要素の流れを促進している」と述べた。

ソース:The Information Office of Zhuhai Municipality