ポイント投資をやってみたいと思ったけれど…何を基準にサービスを選べばいいの?

買い物などでもらえるポイントを利用して行う「ポイント投資」が広がっています。「お金が減るかもしれない投資はちょっと……」と思っている方でも、現金・預金を一切減らすことなく投資ができると知ったら、きっと挑戦してみたくなるはず。

今回は、ポイント投資サービスの概要と選び方について、紹介します。


ポイント投資は「現金購入型」と「ポイント連動型」の二つに分かれる

ポイント投資は、株や投資信託といった金融商品にポイントを利用して投資できるサービスです。通常の投資と同じく、買った商品が値上がりすれば儲けが出ますし、逆に値下がりすれば損が出ます。しかし、ポイント投資の元手は基本的にはポイントですから、仮に値下がりしても手持ちの現金や銀行預金などが減ることはありません。その意味では、身銭を切らない分、初心者の方でも投資資金がない方でも取り組みやすい投資です。

ポイント投資には、大きくわけて「現金購入型」と「ポイント連動型」の2種類があります。

現金購入型は、選んだ株や投資信託を、ポイントを現金に換えて実際に購入し、利益を現金で受け取れるものです。実際に金融商品を購入することになりますので、証券会社等への口座開設が必要ですが、その分本格的な投資ができます。

ポイント連動型は、選んだ株や投資信託などの値動きに合わせてポイントが連動して、増減する仕組みになっています。実際に商品を買うわけではないので、証券会社等の口座開設も不要です。比較的簡単な手続きでスタートできます。

サービスによっては1ポイント単位で投資がスタートできるなど、少額から取り組むことができるのもポイント投資のメリット。元手となるポイントは、普段の買い物などでたまっていくため、「投資の前にお金を貯めよう」といったことも不要です。手持ちのポイントがあれば、すぐにポイント投資がスタートできます。

Tポイント、dポイント、楽天ポイント、Pontaポイントのいわゆる「4大共通ポイント」をはじめ、今や多くのポイントでポイント投資ができます。ポイント会社と証券会社などがタッグを組んで、ポイント投資のサービスを続々と展開しているためです。現金購入型・ポイント連動型に分けて、サービスを見てみましょう。

現金購入型のサービスをチェック

各種サービスHPを元に筆者作成

●楽天ポイント「楽天ポイント投資」
楽天ポイント投資では投資信託や国内株式の購入代金や手数料の一部または全てに楽天ポイントを利用できます。投資信託の積立でもポイントを利用できます。投資信託をポイントで購入(1回500円以上)すると、楽天のポイントプログラム「SPU」の対象となり、楽天市場での買い物の際、ポイントが+1倍されます。

●dポイント「日興フロッギー」
SMBC日興証券の「日興フロッギー」は、さまざまな記事に張られたリンクから株式が買えるサービスです。この株式の購入代金にdポイントを充当することができます。アップされる記事から、これまで知らなかった銘柄や、応援したくなる会社に出会えるかもしれません。

●Tポイント「Tポイント投資」
SBIネオモバイル証券のTポイント投資では、名前のとおりTポイントを使って株式投資ができます(現金でも購入可能)。1株単位で購入できるので、Tポイントが数百ポイントあれば多くの株式を買えるでしょう。サービス利用料として毎月220円(税込)かかりますが、200円分は「期間固定Tポイント」として付与されるので、これを使って投資をすれば実質ほぼコストなしで投資できます。

●LINEポイント「LINE証券」
LINE証券では、LINEポイントを株式や投資信託の購入代金に充てることができます。LINE証券は、メッセージアプリのLINEから利用できる証券会社ですので、使い慣れたアプリで投資をすることができます。口座開設も最短翌営業日と早いのが特徴です。

●松井証券ポイント「松井証券ポイントプログラム」
松井証券で投資信託を保有したり、「マツイセキュリティカード」で買い物をしたりしたときにもらえるのが松井証券ポイントです。松井証券ポイントでは、「ひふみプラス」「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の3本の投信から購入します。

●インヴァストカードポイント「クレカポイント積立投資」
クレカポイント積立投資では、インヴァストカードで買い物をすることで付与されたポイントが現金化され、海外ETFの積立投資に充てられます。多くのクレジットカードのポイントには有効期限があり、うっかり失効させてしまうこともありますが、クレカポイント積立投資なら執行させずに自動で投資が進められます。

●トラノコポイント「ポイントで投資」「マイルで投資」
トラノコは毎日の買い物のお釣りを自動的に分散投資してくれるアプリなのですが、手持ちのポイントやマイルを使って投資することもできます。
「ポイントで投資」「マイルで投資」では、nanacoポイントやANAマイルを利用して投資信託に投資することができます。なお、毎月の利用料は300円(申込後3カ月は無料)です。投資先は安定重視の「小トラ」、バランス重視の「中トラ」、リターン重視の「大トラ」の3つの投資信託から選びます。

ポイント連動型のサービスもたくさん

各種サービスHPを元に筆者作成

●楽天ポイント「楽天PointClub:ポイント運用」
楽天ポイントには、ポイント連動型のサービスもあります。「楽天PointClub:ポイント運用」では、「アクティブ」「バランス」の2種類のコースのどちらかを選ぶだけで、投資信託の値動きとポイントが連動します。なお、楽天ポイントに限らず、ポイント連動型のサービスは、増えても換金することはできません。しかし、増えたポイントは引き出して買い物などの代金に充てることができます。

●dポイント「dポイント投資」
dポイントにもポイント連動型のサービスがあります。dポイント投資では、dポイントを運用ポイントに交換し、運用に回すことができます。投資先には、「アクティブ」「バランス」の2種類のコースから選ぶ「おまかせ運用」と、「日経平均株価」「新興国」など8つのコースから選ぶ「テーマで運用」があります。

●Pontaポイント「Stock Point for CONNECT」
2020年7月にスタートした「Stock Point for CONNECT」は、PontaポイントをStockPointに交換し、100銘柄のなかから投資先を選べば、すぐにポイント運用ができるサービスです。ポイント運用では初めて、株主優待・配当がもらえます(株主優待ギフトは抽選での商品プレゼント、配当ギフトはポイントでの提供)。また、ポイント投資のポイントが1株以上の金額になれば、本物の株に交換することもできます。

●StockPoint「StockPoint」
上の「Stock Point for CONNECT」とは別に、Stock Pointというサービスもあります。Stock Pointは、ドットマネー、永久不滅ポイント、エムアイポイントといったポイントをStock Pointに交換することで、180銘柄超に投資できます。

●永久不滅ポイント「永久不滅ポイント運用サービス」
セゾンカードで貯まる永久不滅ポイントも運用可能。「日本株(TOPIX)コース」「資産形成の達人コース」など、6種類の投資信託コースから選ぶだけで、そのコースの投資信託の値動きとポイントが連動します。

●PayPayボーナス「PayPayボーナス運用」
スマホ決済の雄、PayPayでもポイント投資ができます。決済後に付与される「PayPayボーナス」を利用して米国のETFに投資できます。「チャレンジコース」「スタンダードコース」の2種類があります。

サービス選びの基準は余っているポイントが有効活用できるか。投資したい商品や銘柄があるなら利用するのも手

ここまで、ポイント投資のサービスをひととおり紹介してきました。この中には、普段からサービスを利用して貯めているポイントや、使わずに余っているポイントがあるのではないかと思います。もし、そうしたポイントがあるのならば、まずはポイント投資に回してみることをおすすめします。そもそも、ポイント投資は基本的にポイントがなければできませんので、「投資に回してもいいポイントがある」ことがポイント投資サービス選びの何よりの条件です。

ポイント投資サービスごとに、投資対象が異なるので気になる投資商品や銘柄にポイントで投資したいというニーズがあるならば、そのポイントを意識して貯めるようにしても良いかもしれません。

ポイント投資とはいえども投資ですから、増えることもあれば、減ることもあると思います。しかし、ポイントはもともと買い物で貯まった「おまけ」のようなものですので、投資のハードルは、自分のお金を出すよりずっと低いのではないでしょうか。値動きに慣れる、投資へのはじめの一歩にするのもいいかもしれません。

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