病院でも働き方改革を 長崎大がシンポ 3部署の取り組み紹介

朝の会議時間を計測する高度救命救急センターのスタッフ=ビデオ会議アプリ「Zoom」によるオンラインシンポの画面

 長崎大は22日、病院の働き方改革について考えるシンポジウムをオンラインで開いた。長崎大学病院の3部署で取り組んだ働き方改革の取り組みを発表し、医療関係者86人が視聴した。
 同病院は昨年、働き方改革のコンサルティングを導入。高度救命救急センター、外傷センター、看護部国際医療センター2で働き方改革に取り組んでいる。
 高度救命救急センターは、業務の申し送りをする朝の会議でプレゼンテーション時間を5~10分以内と決めて計測。約2時間かかっていた会議を平均30分短縮できた。医師ら8人が参加しており、1日計4時間の拘束時間を短縮できたと報告した。
 外傷センターは、患者ファイルを見やすく工夫して紙に印刷して情報を共有。指示漏れを減らすため看護師との間に申し送りノートをつくり、医局を整理整頓したことなどを報告した。
 看護部国際医療センター2は、「ありたい姿」の実現に向けて議論を重ね、86.9%が働き方の変化にポジティブな変化を感じているなどと発表した。
 シンポジウムでは、働き方改革のコンサルティングを手掛ける「ワークライフ・バランス」(東京)の小室淑恵社長が基調講演。長時間労働や過労死問題に触れ、睡眠時間の確保や一部の人材に頼らず内向きの仕事をやめるなどチームマネジメントの重要性を指摘した。
 河野茂学長、中尾一彦病院長、小室社長によるパネル討論もあった。

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