フィンランド首相、「1日6時間労働・週休3日制」目標掲げる。国内業界団体からは批判も

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フィンランドで、当時史上最年少の34歳で首相に就任したサンナ・マリーン氏が、「労働時間短縮」を、任期中の一つの目標として掲げることを8月24日に表明した。現地メディアHelsinki Timesロイターなどが報じている。

この報道を受け、日本でもネット上で様々な議論を呼んでいる。一方、フィンランド国内の業界団体からは批判の声も上がっている。

目指すのは、「収入を減らすことなく労働時間を短縮」

2019年12月にフィンランドの首相に就任したサンナ・マリーン氏は、8月24日に社会民主党の基調演説に登壇。労働時間の短縮を実現するために、「明確なビジョンと具体的なロードマップ」を作成する必要があると表明した。

Forbesによると、マリーン氏は、首相就任前、交通・通信担当の大臣を務めていた頃から、1日6時間勤務・週休3日制を目指すとの考えを明かしていた。

労働時間の短縮は、高い就業率や堅固な財政を実現するという私たちの目標と、矛盾するものではありません」と述べ、それぞれの国民が労働生産性を向上させるために努力すべきだとの考えを示した。

マリーン氏は、「富を公正に分配する方法のひとつは、労働条件を改善し、収入を減らすことなく労働時間を短縮すること」だとの自身の考えを明かし、フィンランドでは、社会民主党が目標としてきた1日8時間労働・週休2日制に移行した後、賃金は減ることはなく、数十年かけて増え続けていると説明。

複数の研究や実証実験を参照し、「労働時間の短縮は生産性の改善をもたらし、その効果によって、企業側は6時間の労働に対して8時間分の報酬を提供できることが明らかになっている」と述べた。

「完全に間違っている」と批判も

これに対し、Pledge Timesの報道によると、フィンランド産業連盟やフィンランド中央商工会議所などの団体が声明を発表し、「首相のメッセージは完全に間違っている」と批判した。

「単なるビジョンだとしても、フィンランドの借金は記録的なペースで増え続けており、新型コロナウイルスによる打撃により、フィンランドの国民の幸福を確保できる見通しは定かではない」とし、「コロナによる危機を克服するには長い道のりがあり、雇用を増やす決断が必要です。労働時間を劇的に削減するという提案は、まったく間違った方向性です」を主張した。

「日本でも検討してほしい」の声

マリーン氏のこの表明が日本でも報道されると、ネット上では「羨ましい」「日本でも検討してほしい」「これが本当の働き方改革」などとの声が続出した。

「心も生活もゆとりができるのは素晴らしい」「自分一人、あるいは家族や友人との時間を大切にできる取り組み」「長く働いてがんばってるから価値がある、と評価する時代は早く終わってほしい」など、時間の使い方や労働に関する考え方を、根本から見直すコメントも、Twitter上には多く見られる。

マリーン氏の「富を公正に分配するため」という考えに対しては、「ウィズ・コロナの時代に大切な考え」とする意見もある。

一方では、「現実的に可能なのか」「日本での実施はほど遠い話…」との冷静な受け止めも見られた。

国内では、2019年夏に日本マイクロソフトが「週勤4日・週休3日」のトライアルを実施。労働生産性がおよそ40%上がり、社員の92%が支持を表明したとの結果が発表され、話題となった。