家計簿嫌いの専業妻に「稼ぎが少ないから貯まらない」と言われた夫。いい管理方法は?

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読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、38歳、会社員の男性。奥様は出産に備えて専業主婦なったそうですが、家計管理が苦手でうまくいっていないようです。FPの横山光昭氏がお答えします。

子どもができたことをきっかけに、半年前に結婚しました。妻は結婚後、出産に備えて仕事をやめ、専業主婦をしています。独身時の貯金は互いにほとんどない状況でした。そのため結婚してからの半年間、子どもの将来や家庭を守るために、貯金を作らなくてはいけないと思ってやってきたのですが、一向に貯まりません。

妻はネットの記事や主婦向け雑誌などを読み、家計管理を勉強しているようです。ですがもともとお金の管理が苦手な方で、家計簿をつけることも嫌がります。そのため費目別に予算を分けて袋に入れ、家計の管理を頑張っているようです。口座引き落としで支払うお金はそのまま口座に入れておきますが、手元で使うお金は「食費」「雑費」「娯楽・交際費」「その他・日用品代など」と大雑把な袋分けです。いくらくらいが妥当なのかわからないので、それぞれの予算を4万円としています。

ただ、最近はキャッシュレス決済が増えています。我が家でも利用するのですが、そのチャージなどで残高の管理がぐちゃぐちゃになってしまうようです。予算を守れたらお金が残って貯金していけるはずだったのですが、毎月予算以上使ってしまうようで、お金が残っていないのです。

しまいには稼ぎが少ないから貯まらないと言われてしまう始末です。十分暮らせるだけの給料は貰っていると思うのですが…。何とかうまく貯めていけるようになりたいのですが、どのようにしていくとよいでしょうか。

【相談者プロフィール】

相談者(38歳、会社員)、妻(35歳、専業主婦、妊娠中)

毎月の手取り収入:37万4000円

年間の手取りボーナス:約100万円

貯金:30万円

【支出状況(総支出額:37万4000円)】

住居費:11万4000円(家賃、管理費)

食費:5万2000円

外食費:1万9000円

水道光熱費:1万6000円

通信費:1万9000円

生命保険料:2万4000円

日用品代:1万円

医療費:9000円(検査があるときは増える)

こづかい:6万円(うち夫5万円)

その他:5万1000円


横山:家計表では、収支はトントンという状況です。これでは赤字になってしまう月もあるでしょう。今も努力はされているのでしょうが、貯金を作るとなるともっと支出のコントロールをしていかなくてはいけません。奥さんは妊婦さんで、しかもこれから赤ちゃんが生まれるとなると、忙しくなりますね。あまり手間がかかる家計管理の方法はストレスになるだけでしょうから、無理せず家計を管理していく方法を考えてみましょう。

各費目の予算立ては、支出の把握ができていないと設定が難しい

うかがった内容によると、袋分けする費目は大雑把だということでしたが、生活費にいくらかかっているのかわからないままに予算を組み、管理しようというのは少々無理があります。今の「それぞれ4万円」という予算が、その費目に妥当な予算なのかどうか、そこから考えていかなくてはいけません。そのため、まずは何にいくら使って生活しているのかをきちんと把握できていることが、予算管理をするために必要なことです。

把握するには支出の記録をつけることが一番です。ただ、奥さんは家計簿に苦手意識を持っていらっしゃるようです。キャッシュレス決済が増えているということから考え、家計簿アプリを使ってみることも1つの手段です。キャッシュレス決済による支出を自動で記録してもらえますし、現金払いでもレシートの写真を撮れば記録してくれます。

ただ、記録だけしていればよいというわけではありません。その支出について確認し、本当に必要な支出だったかどうかの確認をすることが大切です。

記録の方法は継続できれば手書きでも、アプリでも、エクセルに入力することでもよいので、まずはご家庭の支出状況を知りましょう。

袋分けは意外と難しい家計管理方法

袋分けの家計管理は、実は意外と難しいやり方です。今はドラッグストアで下着類や食料品を売っていたり、スーパーで洗剤などを購入できます。つまり、一度の支払いで、いろいろな費目の支払いが生じるのです。それを袋分けで管理するとなると、帰宅後に各袋で「清算」しなくてはいけません。その作業が手間となり、だんだんと管理がずさんになりがちです。よほど細かい人でないと難しいのではないかといつも感じます。

また、家計状況を把握して予算を作ったはずなのに、食費などが赤字になりやすくなると、いつも余りがちな袋からお金を回して使ってしまう場合もあります。そうすると、残ったお金を貯めるはずだったのに残らなかった、ということになってしまうのです。

たくさんの方の家計相談をしてきましたが、袋分けの家計管理をしている人で「すごく上手に管理できている」という人はあまり見かけません。中にはできている人もいるのですが、やはり細かく管理されている方です。

袋分けの家計管理は一見よさそうに感じますが、いきなり全部の費目をすると難しくなってしまいます。ならば支払いが一緒になりがちで毎日の支出となりやすい食費と日用品だけを予算管理するなど、注意したい支出に絞ってやると効果が出やすくなります。試してみてください。

家計は妻一人だけに任せない

ご結婚されて半年、奥さんと家計や将来のお金の話などしているでしょうか。給料を奥さんに渡し、やりくりしてもらうことも夫婦の財布を1つにすることにはなるのですが、夫が無関心ではいけません。一緒に支出を把握し、お金の使われ方や悩みを共有していくことが必要です。

その為にも、支出の記録を定期的に見せてもらうとか、アプリを使うなら共有設定をするなどして、一緒に把握していきましょう。一緒に見ていくと、支出が絞れそうなところも見つけやすくなりますし、お金をかけたい部分に掛ける工夫ややりくりの策を考えやすくなります。

貯金の目標や、お金の使い方の方針、価値観などが共有されるので、家計が良い方向に向いていくでしょう。

これからお子さんも生まれます。出産前後で奥さんは大変でしょうが、今頑張っておくと主産後の家計管理が今よりも少し楽になり、家計管理に時間を取られず、お子さんにより多くに時間をかけられるでしょう。家計とは生涯付き合っていくものですから、できるだけシンプルに、簡単にできるように、今からご夫婦で検討し、模索されてみてはいかがでしょうか。