IDC、2019年~2024年の国内データセンターサービス市場の年間平均成長率は9.1%と高い成長率が維持されると予測

IDC Japan株式会社は、国内データセンターサービス(顧客企業の情報システムを情報サービス事業者のデータセンター内で運用監視するサービス)市場の最新予測を発表した。これによると2020年の国内データセンターサービス(DCサービス)市場は、前年比2.9%増の1兆4,518億円となる見込みだ。また、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は9.1%と高い成長率が維持されるとした。その結果、2024年の市場規模は2兆1,828億円となると予測した。COVID-19の影響によりユーザー企業の一部では、DCサービスの導入や関連したインフラ投資を先送りする傾向が見られ、2020年の前年比成長率は2.9%と低水準になる。しかしその一方で、外出自粛の影響により企業活動がオンラインで処理されるようになっているため、クラウドサービスやホスティングサービスの需要が増加している。こうしたサービスの提供のためにDCを利用する傾向が強まるため、2021年の前年比成長率は8.1%へ上昇するとIDCでは見ている。DCサービス市場には、クラウド系サービスと非クラウド系サービスがある。クラウド系サービスとは、アマゾン、マイクロソフト、グーグルなどが提供するクラウドサービスや、そうしたクラウドサービスのサーバーに稼働環境を提供するサービスを指す。一方の非クラウド系サービスは、従来型のWebホスティングや業務システムアウトソーシングなどを指す。国内企業の多くが、自社のITインフラ(サーバー、ストレージなど)をクラウドサービスに移行させる傾向にあるため、DCサービスの利用形態も従来型のサービスからクラウド系サービスにシフトしている。その結果、国内DCサービス市場では、クラウド系サービスの伸びがその成長の牽引役となっており、2021年には国内DCサービス市場の半分以上をクラウド系サービスが占めると予想した。クラウドサービス拠点としての大規模DC需要は増加傾向が続くと提言した。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は「拡大するキャパシティ需要に対応するための大規模建設投資が継続すると同時に、用地や電力の確保が課題となる」と分析している。

© 株式会社アールジーン