団長が発注した唯一の1台! 「西部警察」で活躍した日産 サファリ(160型・Y60型)を振り返る

警視庁 西部警察署 特別機動車両隊(通称・特機隊)指令車(特別機動車 サファリ)/ドラマ「西部警察」劇用車 日産 サファリ(160型) 特装車 撮影:MOTA編集部(2014年6月・私有地にて取材)/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン

日産 サファリの格好良さに興奮したあの頃

前代未聞! ドラマの劇中車が東京モーターショーに出展されていた!?

まだ小学生6年生だった昭和56年秋、筆者は当時東京・晴海で開催されていた第24回東京モーターショーの日産ブース(しかも商用車館)に訪れ、デビューしたばかりの初代160型サファリと共に並ぶ“参考出展車”を目の当たりにして衝撃を受けた。

幾つかのサファリのコンセプトカーと共に「サファリ 西部警察 劇中車」が並んでいたからだ!

特別機動車両 サファリ4WD

それは翌年昭和57年1月放映のドラマ「西部警察」第111話『出動命令・特車“サファリ”』より登場するニューマシン、“特別機動車両 サファリ4WD”の姿だった。放水銃を備え、後部には放水用タンク車を連結する銀色のサファリは実に頼もしく、約40年経った今でも鮮烈な記憶として残っている。

TVドラマの劇中車が東京モーターショーで飾られることなど滅多にないことで、当時の「西部警察」の人気ぶりがうかがえる。

昭和から平成にかけての日産 サファリを中古車で探してみる

ショートボディの黄色いサファリといえば、西部警察 パートII 第19話「燃えろ!! 南十字星」の劇中で広島・チチヤスヨーグルトのレジャー施設内を爆走する名(迷?)シーンを思い出す…

トヨタ ランドクルーザーや、のちに大ブームを巻き起こす三菱 パジェロと比べ、国内販売的には芳しくなかった日産 サファリだが、中古車で探すとどうだろうか。

今回は初代160型に加え、160型の車体などをキャリーオーバーしながらフレームを一新させた後継モデルのY60型(1980~1997年)をMOTA中古車検索で探してみた。

初代サファリ160型はヒットせず! Y60型は既に相場高騰中

1980年から1987年まで製造された初代160型サファリはさすがに希少

2020年8月29日現在、160型サファリの中古車在庫は残念ながら皆無。Y60型サファリは全部で16台がヒットした。

価格は100万円(平成7年式 ハードトップ スピリット タイプII/走行22.8万キロ/修復歴あり)から315万円(平成3年式 エクストラハイルーフ グランドロード/走行2.8万キロ/ワンオーナー)までと幅広いが、相場の中心は100万円台後半から200万円台中盤といったところ。なかなかの高値で取引されている。

サファリは国内よりも海外の需要が旺盛で、多くの中古車は早い時期に輸出されてしまった可能性も高く、探すのも困難なようだ。

日産 サファリの復活はある!? やっちゃえNISSAN!

日産TVCMより,
日産TVCMより,

SUV人気が広まる中、もっと本格的なクロカン4WDにも再び注目が集まっている。

ヘビーデューティ派の代表格、トヨタ ランドクルーザーは長年に渡り国内でも地道に販売を続け根強い支持を集めているが、日産 サファリは2007年に3代目モデルで国内販売を終えてしまった(海外では現在も後継モデルを販売中)。日産にもぜひサファリの国内復活を期待したいところだ。

折しもブランドキャンペーン「やっちゃえ日産」のTVCMでは、あの160型サファリが登場し、野山を駆け巡るシーンが放映されている! きっとこれは何かの前触れだ! と信じて待ちたい。

[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:MOTA編集部/日産自動車/株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン]

名優 渡哲也さんのご冥福を心よりお祈りいたします。(MOTA編集部一同)

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