鷹、ムーアの来日初勝利で破竹7連勝 パ最多10人目の先発投手勝利と驚異の充実ぶり

ソフトバンクのマット・ムーア【写真:藤浦一都】

約2か月ぶりの先発マウンドとなったムーアは5回無失点と好投

■ソフトバンク 3-0 日本ハム(29日・PayPayドーム)

ソフトバンクは29日、本拠地PayPayドームで日本ハムと戦い、3-0で勝利した。相手守備の乱れで1点をもらうと、ふくらはぎの故障から復帰した先発のマット・ムーア投手が5回4安打無失点と好投。来日初勝利をマークし、チームは今季最長の7連勝とした。

6月30日の日本ハム戦で先発したあと、7月7日の練習中に左ふくらはぎを肉離れして離脱。約2か月ぶりの1軍マウンドは90球の球数制限付きでの先発だった。初回に2本の安打、2回には2つの四球を与えるなど、4回以外は毎回走者を背負ったが、粘って日ハム打線にあと1本を許さなかった。

6回以降は松本が2イニングを無失点に封じ、8回はモイネロ、9回は守護神の森が凌いで逃げ切った。「まずは怪我から復帰できたことを非常に嬉しく思います。フォアボールが多く、球数が多くなってしまったことは反省点ですが、復帰1試合目としてはまずまずの投球ができました」と降板後にコメントしたムーアが来日初勝利を飾った。

このムーアの勝利でソフトバンクは今季、先発投手で10人目の勝利をマークした投手になった。今季チームトップの6勝をマークする石川柊太、5勝の千賀滉大をはじめ、若い笠谷俊介や28日に今季初先発で初勝利をマークした武田翔太などなど、多彩な先発陣が次々に勝利投手になっている。

シーズン序盤の球数制限、休養を挟みながらローテを運用する工藤監督

新型コロナウイルスの感染拡大で変則的な形で開幕を迎え、そして6連戦が続く過密日程となっている今季。ソフトバンクの工藤公康監督は先発投手陣にシーズン序盤は球数制限を設け、その後は数度の登板ごとに一度、登録を抹消し、疲労を溜めないためにやり繰りしている。チーム内での規定投球回到達者はゼロだが、先発10人が勝利という現象に繋がっている。

【ソフトバンクの先発勝利投手】
・石川柊太 8試合6勝0敗 1.82
・千賀滉大 8試合5勝2敗 3.67
・和田毅 9試合4勝1敗 3.33
・二保旭 10試合3勝4敗 4.84
・東浜巨 10試合2勝1敗 2.96
・笠谷俊介 12試合2勝2敗 3.14
・大竹耕太郎 2試合1勝0敗 2.53
・武田翔太 1試合1勝0敗 1.29
・マット・ムーア 3試合1勝1敗 3.00
・リック・バンデンハーク 4試合1勝2敗 7.29

現在、ローテの中心を担うのは石川、千賀、和田、東浜、二保の5人。これにローテの谷間で笠谷を起用してきたが、武田、ムーアが復帰して勝利。登録抹消となった大竹も2軍で再び好投している。誰が先発しても、試合を作り、白星を掴める。他球団が羨むほどの充実の先発陣があるからこそ、工藤監督の投手マネジメントが可能となっているところもある。(Full-Count編集部)

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