現役17ライバーに聞く! ライブ配信で気をつけるべき3つのこと

今回は、ライブ・リテラシーで発信するときに大切なことを3つ、お伝えしたいと思います。ライバーだけの収入で生計を立てているプロライバーのKさんに、インタビューしてお話をうかがいました。

これまでの【寺島絵里花の子どもメディアリテラシー講座】はこちら

Kさんが17(イチナナ)ライバーになったワケ

Kさんの活動の場は、ライブ配信アプリの最大手「17 Live」です。17 Live以外ではライブ配信していません。もともと、有名なテーマパークのプロダンサーやプロダンス講師としても活躍していて、ときどきプライベートで、短編ダンス動画をTikTokなどで配信していました。SNSの活用は、仕事よりも私用で見たりすることが多かったそうです。

ときどきSNSの発信をしていたところ、知り合いのライバー事務所から声がかかり、約1年半前からライブ配信に取り組むようになりました。そのときはライブ配信の経験はまったくない、初心者だったそうです。

ライブ配信するときには、出演するカテゴリーを自分で事前に決めなくてはいけません。音楽や、ダンス、マジシャンや、料理、コスメなどさまざまなカテゴリーがありますが、Kさんは「雑談」というカテゴリーで配信しており、毎日リスナーさんと、そのときに話題となったことについて話すそうです。

プロライバーとして気をつけていること

最初は視聴者も少ないので、繰り返し自己紹介をしたり、リスナーとの雑談を大切にして、毎日欠かさず配信していました。その結果、3か月を過ぎたころに少しずつフォロワーが増えていき、今では55万人もの方々に視聴されるプロライバーになったそうです。

コロナ禍ではテーマパークも休園になっており、振り返るとそういった状態であっても、収入を得られるライバーという仕事はよかった、と話してくれました。実際、コロナ禍で17 Liveデビューする人が非常に増えたようです。

今回は、TikTokやInstagramなどと違い、編集できないライブ配信について、気をつけていることをうかがいました。逆に、編集する手間が省けて、配信しやすいというメリットもあるので、初心者であっても気軽にはじめられるようです。

[ 画像が省略されました ]

Kさん ライブ配信を続けて1年半以上経ちますが、17 Liveは、YouTubeのように過去の動画が公開として残りません。なので、配信した後は削除されるシステムですが、それでも本名や年齢など公表しないように気をつけています。またライブ配信する場所も自宅だけです。よく行く場所や外では、配信しないようにしています。

ライブ配信でとくに注意してほしい3つのこと

取り返しがつかないことになる前に、ライブ配信をすると決めたら、とくに注意してほしいことを3つにまとめました。

1. 個人情報を公開しない、伝えない(生年月日、名前、住所、電話番号、学校名や勤務先など)

ライブ配信内容が残らないライブ配信アプリであっても、リスナーの誰かがキャプチャーで録画しているかわかりません。そもそも、ライブ放送されている生放送を配信者の許可なしに保存することは、著作権違反になる可能性も考えられます。

ライバーもリスナーも、今後はモラルや節度をもって楽しむことが大事になるのではないでしょうか。

たとえば、ライバーにゲストとして登場してくださる相手の情報も、「今日はお誕生日おめでとうございます!」など、つい話の流れから公開してしまうことがあるので、事前に公開できる情報を確認する必要があります。

一度、話してしまった情報を取り消すことはできません。友だち同士であっても、必ず確認しておきましょう。

2. 自分以外が写らない場所で撮影する

場所を自宅以外で撮影する際、歩いているときやお店の中でまったく知らないお客さんや通行人が映ってしまうことがあります。自分はよくても、そこに映っているすべての人が、SNSに投稿されてもよいと思っているとは限りません。

ライブ配信以外でも、集団やグループで撮影した写真をSNSにアップする際には、必ず全員に許可を取るようにしましょう。

アプリを使って顔の部分を隠せば問題ないと思われるかもしれませんが、それでも嫌だという人もいます。特徴がある荷物やバック、スマホケースだけでも、わかる人にはわかってしまうからです。必ず、自分の判断だけで公開しないように注意してください。

3. 炎上する可能性も考えておく

コロナ禍は、感染した人の特定や誹謗中傷、偏見や差別が増えています。部活の仲間やクラスメイト、会社の同僚など、身近な人が感染したことについて、閲覧数を増やしたいために、ライブ配信やSNSで発信してしまうケースが増加しています。

そのほかにも、著名人や有名人、芸能人が来店したり遭遇したことを投稿したり、アルバイト先や勤務先でおもしろさを狙う悪行や迷惑行為を公開することが炎上につながり、大きなトラブルの元になります。特定の思想や信仰や信条に関わることや差別などは、不快感を与えてしまうので、十分の注意が必要です。

3つのこと以外にも、「自分は友だちにしか見えない鍵アカウントを使っているから、何を投稿しても大丈夫」と思っていませんか? 今年、10代の子どもたちからいちばん多い相談は「投稿した写真をスクショされてほかの友だちに漏らされる」ということでした。

鍵アカウントだけれど、公開されたくないと思って悩んでいる人は多いのかもしれません。悪気がなくても、発信する(投稿)ときは、相手に確認することを忘れないでおきましょう。

そのほかにもセキュリティの問題で、自分のアカウントを乗っ取られてしまうなど、ネットに上がっているものが、絶対に拡散されないという保証はどこにもありません。どこに投稿するときでも「常に不特定多数に見られる危険がある」ことは意識しておくべきです。

ライブ配信を盛り上げるコツ

一方で、国内外で知り合うことのなかった人と巡り合えたり、自分を知ってもらえたりすることは、SNSやライブ配信アプリを使うことの大きなメリットであり、楽しみでもあります。今回インタビューしたKさんも、素敵な出会いやイベントに登壇する機会があり世界が広がったそうです。

しかしどういったツールであれ、メリットがあればデメリットも必ず存在します。ライブ配信するときのコツについてもうかがいました。

[ 画像が省略されました ]

Kさん ライブ配信が盛り上がるコツとしては「台本がないこと」だと思います。台本がなくて、構成もなく、リスナーの方々とリアルタイムで会話を楽しむと、とても盛り上がりますよ。とくに「投げ銭」といって、ライバーを直接応援できる機能を多くのリスナーが使っています。投げ銭をすると、ライバーがリスナーの名前を呼んだり感謝を伝えられるので親近感がわくようです。

今年コロナに入ってから、Google Trendsのキーワードでも「投げ銭」という言葉がよく検索されており、投げ銭デビューした人もいるかもしれません。今までは、ネット上でデジタルコミュニケーションがとれる場所でしたが、そこに課金も手軽に行えるようになり、新しい「応援」ビジネスが成り立っています。

大人だけでなく、子どももライブ配信する10代も増えています。これから、ますます人気になるライブ配信やライブコマースを発信するときは、大切な3つのことを確認してくださいね!

この記事が気に入ったら「フォロー」&「いいね!」をクリック!バレッドプレス(VALED PRESS)の最新情報をお届けします!

毎週最新情報が届くメールマガジンの登録はこちらから!

メールマガジン - バレッドプレス(VALED PRESS)

これまでの【寺島絵里花の子どもメディアリテラシー講座】は

© Valed.press