茨城インターハイは陸上勢の男女2人が日本一の座を射止めた。
女子100メートルの長島夏子(壱岐)は鮮烈なインパクトを残した。2年生までは全国的に無名の存在だったが、レース後半の爆発的な加速を武器に6月、長崎県の高校女子として初めて11秒台に突入。その地域性などもあって「離島のシンデレラ」と称されるなど、一躍脚光を浴びた。
本番はその重圧をはねのけて、花形種目で県勢初の栄冠を手にした。準決勝でマークした11秒75の県記録は現在も破られていない。2日後の200メートルも予選後に過呼吸で医務室に運ばれながら、準決勝、決勝を走り抜いて2位入賞した。
男子やり投げの種本祐太朗(西海学園)は全国ランキング1位で乗り込み、頭一つ抜けた強さを示した。この時点で競技歴は2年足らず。試合のたびに記録を伸ばし、秋の高知国体は大会記録に迫るビッグスローを披露して全国2冠を達成した。翌2003年の長崎インターハイ(長崎ゆめ総体)は1学年下の鬼塚和則(口加)が制し、県勢が同種目で2年連続の頂点に立つという快挙を成し遂げている。
団体はサッカーの国見とヨット男子の海星が銀メダル、ソフトボール男子の諫早と登山女子の長崎北陽台が銅メダルを獲得した。
このうち、ヨット男子の海星は、原田龍之介ら2年生だけのチームで2位入賞。初めての大舞台で予想以上の成績を残して、選手たち自身が「ここまでいけるとは」という躍進だった。1年後の地元インターハイに向けて、期待の新星が誕生した瞬間だった。
2002年・茨城 陸上女子100長島(壱岐)県勢初V ヨット男子で海星が銀 【連載】夏跡 県勢のインハイ20年・3
- Published
- 2020/08/30 12:30 (JST)
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