「倍返し」だけじゃない! 堺雅人 俳優としての魅力に迫る!

©株式会社ニッポン放送

【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第891回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

※写真は『ひまわりと子犬の7日間』より

いま、もっとも勢いのある俳優と言えば、堺雅人を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

7年ぶりの続編となるドラマ「半沢直樹」も絶好調。その白熱の演技に魅了されている人も多いことでしょう。しかし、過去の出演作を振り返ると、実にさまざまなタイプのキャラクターを演じて来たことに改めて驚かされます。

そこで今回は、堺雅人の主演映画4タイトルをご紹介します。

※写真はAmazonより

『南極料理人』ほのぼのムービーの“隠し味”は、堺雅人の微笑!?

まずは、『南極料理人』。南極観測隊に料理人として参加した西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を映画化したヒューマンドラマです。

日本から1万4000km離れた南極にあるドームふじ基地内で、単身赴任生活を送る8人の男性たちの日常が映し出されて行きます。

堺雅人が演じたのは、交通事故にあった同僚の代わりに、急遽、南極に派遣されることになった西村。南極越冬隊員たちの胃袋を満たすという大役を任せられた料理人です。

辺境の地で暮らす彼らにとって、食事は格別の楽しみ。ふっくらと握ったおにぎりに熱々の豚汁、異国の地で食べるラーメンに伊勢海老のエビフライ……。

隊員たちに振舞われるおいしそうな料理と共に印象に残るのが、仲間の食べっぷりを見つめる堺雅人の笑顔。その柔和で穏やかな姿に、きっとあなたも癒されることでしょう。

おじさん8人のほのぼのとしたやり取りに、ほっこりとした気持ちになれる1作です。

※写真はAmazonより

『鍵泥棒のメソッド』「半沢直樹」コンビが大暴れ!

売れない役者と、凄腕の殺し屋。ひょんなことから人生が逆転してしまった2人の男が騒動に巻き込まれて行く様子を、笑いとサスペンスを交えて描いた『鍵泥棒のメソッド』。

内田けんじ監督ならではのトリッキーな展開と演出が観る者のハートをくすぐる、大人のエンターテインメント・ムービーです。

本作では35歳にして定職もなく、ボロアパートに住む売れない役者・桜井を演じた堺雅人。どこかしらトボけた雰囲気の演技で笑いを誘い、彼のコメディセンスがキラリと光る作品です。

さらに注目すべきは、堺雅人と香川照之の共演。ドラマ「半沢直樹」で繰り広げた熾烈な演技合戦もさることながら、本作での熱演も見応えたっぷりですよ。

※写真はAmazonより

『ひまわりと子犬の7日間』犬と人間の触れ合いを真摯に描いた感動作

宮崎県の中央動物保護管理所で起きた実話をもとに、犬の親子と管理所職員の絆を描いた『ひまわりと子犬の7日間』。犬や猫の殺処分という社会問題に真正面から向き合うことで、命の大切さを伝えた感動作です。

本作で堺雅人は、2人の子どものシングルファーザーでもある動物管理所の職員・神崎彰司を好演。

生来の動物好きゆえに、なかなか殺処分を実行することができない。そしてまた、動物好きな子どもたちを傷つけまいと気遣うあまり、自分が携わっている現在の職業を告白できないままでいる……。

そんな心優しい男性の複雑な心情を、丹念に表現しています。彼の故郷である宮崎弁でのお芝居も必見ですよ。

※写真はAmazonより

『日輪の遺産』日本の復興と未来を願う日本人の矜持を体現

日本を代表するベストセラー作家・浅田次郎による同名小説を、佐々部清監督が映画化した『日輪の遺産』。

太平洋戦争終戦末期、マッカーサーの財宝を巡る極秘作戦に関わった帝国陸軍将校たちと、20名の少女たちの運命を壮大に描いた歴史エンターテインメントです。

陸軍少佐・真柴司郎を演じた堺雅人にとっては、これが初めての軍人役。軍刀が体になじむよう常に身に付けたり、居合の道場に通ったりといったフィジカルな側面からだけでなく、近衛師団で活躍していた人に体験談を聞いたり、当時の経済書を読んだりと、さまざまな角度から役へのアプローチを試みたとか。

こうしたエピソードからも、俳優としての研究熱心さが伺えますね。日本の復興と未来を想う日本人としてのプライド=矜持に、改めて心を揺さぶられる1作です。

『南極料理人』(※写真はAmazonより)

■南極料理人(2009年)

DVD&Blu-rayリリース デジタル配信中
監督・脚本:沖田修一
原作:西村淳「面白南極料理人」「面白南極料理人 笑う食卓」(新潮文庫刊)
音楽:阿部義晴
主題歌:ユニコーン「サラウンド」(Ki/oon Records)
出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、西田尚美、古舘寛治、小浜正寛、黒田大輔

『鍵泥棒のメソッド』(※写真はAmazonより)

■鍵泥棒のメソッド(2012年)

DVD&Blu-rayリリース デジタル配信中
監督・脚本:内田けんじ
音楽:田中ユウスケ(Q;indivi)
主題歌:吉井和哉「点描のしくみ」(EMIミュージック・ジャパン)
出演:堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑤子

『ひまわりと子犬の7日間』(※写真はAmazonより)

■ひまわりと子犬の7日間(2013年)

DVD&Blu-rayリリース デジタル配信中
監督・脚本:平松恵美子
原案:山下由美「奇跡の母子犬」(PHP研究所 刊)
音楽:寺嶋民哉
主題歌:ソナーポケット「花」(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
出演:堺雅人、中谷美紀、でんでん、若林正恭(オードリー)、吉行和子、夏八木勲、草村礼子、左時枝、近藤里沙、藤本哉汰、檀れい(友情出演)、小林稔侍

『日輪の遺産』(※写真はAmazonより)

■日輪の遺産(2011年)

DVD&Blu-rayリリース デジタル配信中
監督:佐々部清
原作:浅田次郎「日輪の遺産」(講談社文庫/徳間文庫/角川書店)
脚本:青島武
音楽:加羽沢美濃
主題歌:元ちとせ「永遠(トワ)の調べ」
出演:堺雅人、中村獅童、福士誠治、ユースケ・サンタマリア、八千草薫、森迫永依、麻生久美子、塩谷瞬、八名信夫

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/