大門軍団の闘いを支えた日産車の活躍ぶりに注目!
伝説の刑事ドラマ「西部警察」は、1979(昭和54)年10月14日から1984(昭和59)年10月24日まで、全236話が放映されました(パート1からパート3までの合計。平成版は含まず)。警視庁「西部警察署 捜査課」の大門部長刑事(渡 哲也)を中心とする“大門軍団”の刑事達と、それを見守る木暮課長(石原 裕次郎)が、極悪な犯罪に立ち向かう姿を描くポリスアクションストーリーです。
大門軍団の熱き男たちによる闘いももちろん恰好良かったのだけど、番組を盛り上げてくれたもうひとつの柱が“日産車”でした。少年時代に観たこの番組のおかげで日産好きになった! って人も少なくないはず。
いま再び注目を集める西部警察のマシンたちを、厳選してご紹介します!
ガルウィングがカッコいい! SUPER Z[S130型 日産 フェアレディZ 2by2]
西部警察 パートII 第15話「ニューフェイス!!西部機動軍団」で、後述するマシンRS(のちのRS-3)と共に華々しく登場したマシンが「SUPER Z(スーパーゼット)」です。
その特徴は、市販のZにはなかったガルウィング式のドア。団長が運転席からショットガンを撃つシーンが実に格好良かった!
瓜二つのニセモノSUPER Zが現れ、富士スピードウェイの本コースで対決するパートII 第14話「マシンZ・白昼の対決」は特に見ものです。
ジャンプで飛び乗る木暮課長に憧れ…ガゼール オープン[S110型 日産 ガゼール]
西部警察第1話「無防備都市(前編)」から颯爽と登場する木暮課長の愛車ガゼール。こちらも市販版にはなかったオープンモデルです。
派手な三つ揃えの背広を着こなし、いきつけの“カド屋”ことバー「コーナーラウンジ」へとガゼールで颯爽と乗りつける課長の姿に、ダンディなオトナの世界を垣間見たものでした。
車高の低さに目を付けた人質犯から逃走用に指名され、高さ制限のあるガード下をすり抜けてまんまと逃げ切ったシーン(第75話「平尾一兵 危機一髪」)もありましたね。
パートII以降の華と言えば! スカイラインRS&RSターボ軍団[DR30型]
それまで活躍していたマシンX(スカイライン2000GTターボ)に代わり、パートII 第5話「ニューフェイス!! 西部機動軍団」で登場したマシンRSと、パートIII 第16話「大門軍団フォーメーション」で登場したRS-1・RS-2・RS-3(3はマシンRSをリニューアルしたもの)は、西部警察を代表するマシンと言っても過言ではないでしょう。
FET極東やAD Three(日産プリンス純正)のエアロパーツやエンケイメッシュのアルミなどでカスタマイズされた赤+黒ツートーンのDR30型スカイライン RSターボは、文句なしの格好良さ。特にRS軍団3台が揃った後半は日本全国縦断の地方ロケも多く、各地の道府県警本部へ隊列を組んで華々しく乗りつけるシーンがお約束でした。
【おまけ】覆面パトカー・セドリックのほうに夢中な人も続出!
実際のところ、番組で最も出演率が高いのは“黒パト”ことセドリックやグロリアの覆面パトカー。地道な捜査を支える縁の下の力持ちとでも言うべき存在です。人気のスカイラインRSターボやZではなく、あえて黒塗りのセドグロに乗る西部警察好きは少なからず存在しています。
しかも(筆者を含む)ひねくれた当時の少年たちは、最新モデルの430型セドリックが交差点を曲がった瞬間、くたびれた風情の“旧型”230セドリック(しかも廉価グレードのベンチシート・コラムシフト仕様)にすり替わったりすると「お父さん! このあとこのクルマ壊れるよ!」などと、幼心にも大人の事情を指摘したりしたもの。実際クラッシュするのだけど、後ろの左ドアが意味なくぱかーと開いたりして、それもまたタクシーあがりの中古を想わせる哀愁がありました。
語りだすと尽きない、西部警察に登場するクルマの話題…
初期の花形であるマシンX(ジャパンターボ)やサファリ 4WDが出てこないじゃないか! とか、いや鑑識のロクさんが乗る赤いスタンザFXがイイ! とか、ジュンのサンデー号はスタッフの愛車だったってホント!? とか、鳩村の自家用車がレパードだったのはのちの横浜・港署と関係あるの!? などなど、西部警察にまつわるクルマの話題は尽きないところですが、その続きはコメント欄のほうにもぜひ・・・。
[筆者:トクダ トオル(MOTA編集部)/撮影:MOTA編集部/日産自動車/株式会社石原プロモーション/製作著作:株式会社石原プロモーション/取材協力:ポニーキャニオン]
名優 渡哲也さんのご冥福を心よりお祈りいたします。(MOTA編集部一同)