「アフリカから平和発信」 長崎市長にオンライン原爆展報告 IUCNの安田さん

田上市長に「アフリカから平和を発信したい」と語る安田さん(中央)=長崎市役所

 国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)職員の安田香織さん=長崎市出身=が28日、同市役所に田上富久市長を訪ね、市などの協力で31日まで実行委が開催している「広島・長崎原爆写真ポスターオンライン展」について報告。ケニアの国連ナイロビ事務局に実行委が計画中の常設原爆展について、2024年開設を目指して準備を進めていることを明らかにした。
 安田さんは県立長崎南高卒。大学卒業後に渡米し、ニューヨーク、スイス、ケニアで働いてきた。父親は長崎原爆の胎内被爆者。海外では原爆について聞かれる機会が多く、被爆の実相を正しく伝えようと、仕事の傍ら平和活動に取り組んできた。
 新型コロナウイルスの影響で4月にIUCNの事務所があるケニアから帰国。長崎でリモートワークを続けている。オンライン展は、安田さんらケニアの国際機関で働く被爆2世、現地住民らでつくる実行委が企画。広島、長崎の原爆の惨状を伝える写真などを特設ホームページに掲載し、被爆者の体験談も紹介した。
 安田さんはオンライン展の取り組みと、ケニアの常設原爆展の準備状況を報告し、「今後もアフリカから恒久平和や核廃絶を発信したい」と抱負を述べた。田上市長は「どのような協力ができるか広島と協議したい」と応じた。

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