台風破損 小田原駅の大ちょうちん「パワーアップ」して復活 巻き上げ機能を追加

小田原駅の東西自由連絡通路上に再び設置された大ちょうちん。山﨑さん(右から4人目)が修復を手掛けた=小田原市

 昨秋の台風19号で破損した小田原駅東西自由連絡通路の大ちょうちん(高さ約4.5メートル、直径約2.5メートル)が修復され、29日に再び設置された。神奈川県小田原市の関係者や同駅に乗り入れる鉄道5社の駅長・管区長らが復活した街のシンボルを笑顔で見上げた。

 修復は、市内に唯一残るちょうちん店の5代目・山﨑高史さん(50)が手掛けた。大ちょうちんは先代の父・勇さん(故人)が作ったもので、山﨑さんは「父が苦労した大ちょうちんを復元でき、無事につり下げられたのを見て、ほっとした」と話していた。

 修復完了記念式典で守屋輝彦市長は「大ちょうちんがパワーアップして戻ってきた。小田原を新しく照らしてもらえれば」とあいさつ。JR東日本の小野俊幸駅長は、修復中に鉄道5社と乗客らで折り鶴の大ちょうちんを作った取り組みを紹介し「ここで本物の大ちょうちんにバトンタッチしたい」と笑顔を見せた。

 大ちょうちんは小田原ちょうちんをモチーフに東西自由連絡通路が完成した2003年に市民団体が寄贈。長く親しまれていたが、台風19号の強風で火袋(胴部分)を覆う和紙が破損した。修復作業では破損を教訓に、厚い和紙を二重に張り、表面に防水加工を施すなどした。手動による巻き上げ機も追加し、台風が直撃しそうな場合は事前に畳めるようにした。

© 株式会社神奈川新聞社