熊本豪雨復興、球磨川流域の自然活用を 有識者会議が初会合

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熊本豪雨からの復興について議論した「くまもと復旧・復興有識者会議」。手前は五百旗頭真座長=30日、県庁

 熊本豪雨からの復旧復興の方向性を議論する県の「くまもと復旧・復興有識者会議」(座長・五百旗頭真兵庫県立大理事長)が30日、県庁であり、球磨川流域の豊かな自然を積極的に活用する「グリーン・ニューディール」の考え方を軸に地域再生を図るよう蒲島郁夫知事に提案した。

 グリーン・ニューディールは、温暖化防止や再生可能エネルギー普及など環境分野に重点を置いた米国発の経済活性化策。世界恐慌の克服に向けて戦前の米国で推進されたニューディール政策が、テネシー川流域の総合開発を柱としており、球磨川流域の被災地復興にもこのイメージを重ねる狙いがある。

 坂東眞理子・昭和女子大理事長は「気候変動の影響が深刻化する中、新しい社会経済システムを作る地域開発のお手本になってほしい」と強調。バイオマス発電や小規模な水力発電による地産地消型のエネルギー環境構築などを訴えた。

 五百旗頭座長は、豊富な森林資源を生かすための拠点整備やコメを原料にした球磨焼酎の一層のブランド化などを例に挙げ、「流域の魅力を磨き上げていく対応が望ましい」と説明した。

 会合ではこのほか、ベンチャー企業の誘致や教育機関の設置など、人口流出に歯止めをかけるための具体策も議論された。会合に出席した蒲島知事は「豪雨からの復興に明確な方向性が出てきた。今回の意見を(11月策定予定の)復旧・復興プランに生かしたい」と述べた。

 有識者会議は、熊本地震の復興に向けて学識者から専門的な知見を得るため、県が2016年5月に設置。被災前より発展した状態を目指す「創造的復興」を重視し、県の復旧・復興プランにその考え方が盛り込まれた。

 今回も熊本地震の時と同じメンバー7人で、政治学者の御厨貴・東京大名誉教授ら2人はオンラインで参加した。県は今後の会合について「必要に応じて開催する」としている。(田上一平、内田裕之)