前半戦2位のロッテ、後半戦は先発の枚数が鍵 専門家が挙げる7、8番手の必要性

ロッテ・井口資仁監督【写真:荒川祐史】

ヤクルトなど4球団で活躍した野口寿浩氏が語る後半戦の展望

ロッテが敵地でのオリックス戦に0-5で敗れ、8月までの62試合を34勝26敗2分の2位で終えた。ここまで(30日時点)チーム防御率はリーグ5位の4.36、失点は同6位の282点。打率、得点も同4位の.244、268得点と低迷しつつも、効率良く勝ち星を重ね、貯金を積み重ねてきた。

首位ソフトバンクとは3ゲーム差。8月には一時首位にも立った。そんな前半戦の戦いぶりを、ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手として活躍し、2018年までヤクルトで2年間バッテリーコーチを務めた野球評論家の野口寿浩氏は、こう分析する。

「ロッテは打率は低いが、ここぞというチャンスで畳み掛けている。ほかのイニングは0だけど、1イニングに複数点を取って勝てている試合が多い。そういう攻め方ができている。ベンチも走者が出た時の配球の傾向をしっかり分析していると思う」

投手陣については「先発はそんなに目立った投手はいないが、26日の楽天戦で涌井に投げ勝った小島のように、ここ一番でいい投球をしている投手がいる。あとはリリーフの唐川と益田。後ろに安定した2人がいるとベンチも落ち着く。彼らにつなげば勝てるという安心感がある。そこに左がもう1枚が加わると、さらに安定感が出ると思う」と、しっかりと勝ちパターンのブルペン陣が機能していることを要因に挙げる。

雨天中止の試合が組み込まれ過密日程に「候補になるのは種市、有吉ら。誰が来るのか楽しみ」

では、これからロッテが後半戦でも優勝争いを続けていくために必要なことは何なのだろうか。野口氏は先発陣の充実をキーポイントとして挙げる。現在、ロッテの先発は石川、美馬、二木、小島、岩下、中村稔の6人。だが、野口氏はプラス1、2枚の先発の必要性を説く。

「これから雨天中止の試合が組み込まれ、過密日程になっていく中で連戦が続くと、今の先発陣だけでは足りない時が必ず来る。それに備え、チームとしてファームで1人、2人、谷間の試合を投げられる投手を用意しておかないといけない。候補になるのは種市、有吉ら。誰が来るのか楽しみですね」

昨年、先発ローテ入りし、8勝を挙げた成長著しい若手の種市。2018年に先発としても結果を残したプロ4年目の有吉。さらにはプロ通算28勝のベテラン大嶺も育成から再び支配下登録されており、1軍昇格のチャンスをうかがっている。

打線ではレアード、荻野、福田秀が離脱しているロッテ。若手の安田を4番に固定し将来の主砲として育てているが、野口氏は「状態のいい中村奨やマーティンら周りが安田を助けている」といい、離脱した3人の代わりにも「和田、菅野、加藤といったところが出てきて、欠けたピースが埋まりつつある」と話す。

ただ「投手はそうはいかない」とし、コロナ禍で例年以上に過密日程となる後半戦に向け7、8人目の先発の必要性を強調する野口氏。ロッテが後半戦でも先発陣が機能し、勝ち試合を作れる試合が増えていけば、リーグ優勝のチャンスも十分にありそうだ。(Full-Count編集部)

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