日本から海外の大学への進学希望者が年々増加している中、大学留学先としてカナダも人気が高まっているようです。現地からカナダの大学制度について、他国と比較してご紹介します。

カナダの大学制度について

　日本の大学は、２年制の短大と４年制の大学の２種類がメインで、どちらも高校卒業資格があると入学ができるためシンプルですが、カナダの大学は少し複雑な構造となっています。

　州によっても違いますが、大きく分けると公立カレッジとユニバーシティの２種類にわかれています。オンタリオ州以外の公立カレッジでは、２年間の大学編入プログラムを提供しているところが多く、このプログラムを受講後にユニバーシティに３年目から編入することがとても一般的となっています。特に留学生にとって、ユニバーシティに４年間通うことは学費が非常に高いこともあり、比較的学費を抑える方法として、公立カレッジからユニバーシティへの編入を狙う学生がとても多くいます。

大学のプログラムについて

　カナダのユニバーシティの多くは、日本と同様に４年間の学部課程を終了後、修士課程や博士課程を提供しています。

　一方、公立カレッジでは２年間の大学編入プログラムの他に、下記のようにキャリアに特化した様々なプログラムを提供しています。

ユニバーシティのプログラム

・学部課程（４年間）

・修士課程

・博士課程

公立カレッジのプログラム（一例）

・大学編入プログラム（２年間）

・サーティフィケート　プログラム（１年間）

・ディプロマ（２年間）

・学部課程（４年間）

・ポスト・ディグリー・ディプロマ（２年間）

※その他、カレッジによって様々プログラムを提供しています。

ポスト・ディグリー・ディプロマについて

　ポスト・ディグリー・ディプロマについては、入学資格が学部課程を修了している学生となります。日本にはないカテゴリーとなりますが、ちょうど学部課程と修士課程の間のような位置付けとなり、学部課程を卒業後に、よりキャリアに特化した専門性を身に付けることができます。また、自国にて学部課程を修了している留学生がカナダでの学歴を得て、より専門性の高い職につくことができるため、人気の高いプログラムとなります。

ポストグラデュエイト就労ビザについて

　ポストグラデュエイト就労ビザ（通称ポスグラ）とは、規定の学校を卒業後に、通学期間と同じ期間の就労ビザが発行される制度のことです。

ポストグラデュエイト就労ビザの発行対象となる学校には、以下の条件があります。

　ポストグラデュエイト就労ビザは、通学期間と同じだけ就労ビザが発行されますが、就労期間は８ヶ月～３年間での範囲となります。ただし２年以上通学した人は３年間有効な就労ビザをもらえる、というルールもありますので、卒業後にできるだけ長くカナダにて就労して、その後永住権の申請を目指す方は、２年間の通学を目標にするのがよいでしょう。