アビリティを組み合わせる戦術性が楽しい!「Tom Clancy's Elite Squad」レビュー

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ユービーアイソフトからリリースされたスマートフォン向けRPG「Tom Clancy’s Elite Squad」をレビュー。トム・クランシー作品の世界観が集結したお祭り的タイトルの内容を紹介する。

「Tom Clancy's Elite Squad」はユービーアイソフトからリリースされたスマートフォン向けRPG。「レインボーシックス」「スプリンターセル」「ゴーストリコン」など、これまでのトム・クランシー作品のキャラクターが集結するユニバース的な作品だ。

トム・クランシー作品といえば、ユービーアイソフトの看板シリーズ。期待していたユーザーも少なくないだろう。そこで、当記事ではその内容を詳しく紹介したい。

■プレイヤーに立ちはだかる世界的な脅威「UMBRA」

これまでのトム・クランシー作品キャラクターが集結するとなると、当然、ちょっとやそっとの敵では相手にならない。スケールの大きな敵が必要だ。この点、本作でプレイヤーの前に立ちはだかる「UMBRA(アンブラ)」という組織は、相手にとって不足なしと言えるだけのスケールの大きさを持っている。世界規模のスケールだ。

「UMBRA」は、戦争や貧困など社会な不安を抱える現代に対し、理想を掲げて信奉者を集める組織。しかしそれは表向きの姿で、裏ではSNSで世論を操作。さらにはテロ行為を行って世界をさらなる混乱へと突き落としている。

現在、現実においても世界規模で様々な社会問題が顕在化し、暴動や事件などに繋がっていることを考えると、非常にリアルな設定だ。「UMBRA」が採る、社会不安に付け込みながら世論を誘導していく…という手法厄介。それだけに、立ち向かうために世界政府が手を組み、トム・クランシー作品のキャラクター達が召集される…という流れも説得力がある。

■スタンダードなバトルシステムの上に構築された戦略性

続いてはゲームシステム面に目を向けよう。本作のゲームシステムは一見、スマホRPGとしてとてもスタンダードなものに見える。本作は、バトルを繰り返すことで進行していく。敵をすべて倒せばステージクリア。クリアによって、次のステージがアンロックされる…という形式だ。

プレイヤーは、5人のキャラクターでパーティを編成。バトルに挑む。バトル中の各キャラクターの行動はオート。通常攻撃だけでなく、アビリティ使用も各キャラクターが自動的に行ってくれる。

では、プレイヤーはただ見守っているだけなのかというと、そうではない。プレイヤー用のスキルである「コンバットオーダー」も用意されており、ボタンタップで使用できる。一度使用するとクールタイムが発生。クールタイムが終われば、何度でもコンバットオーダーを発動できる…という仕様だ。

ここまでの説明を見ると、世界観やグラフィックを「ミリタリー風」に変えただけの、よくあるスマホRPGに感じられるかもしれない。が、ある時点で決してそうではないことが見えてくる。ある時点がいつかというと、コンバットオーダーのひとつ、「リチャージ」を手に入れた時だ。

「リチャージ」とは、任意のキャラクターのアビリティゲージを100%にする…という「コンバットオーダー」。このゲージが貯まることによって、各キャラクターはアビリティを発動する。なので、100%になるということは、プレイヤーが意図したタイミングで、任意のキャラクターのアビリティを発動させられるということ。プレイヤーの介入余地が増えるということで、かなり重要なスキルだ。

たとえば、キャラクターの一人である「ホルト」は「装甲ノイズメーカー」というアビリティを持っている。これは、敵に向けてドローンを飛ばすことで、敵の注意をホルト1人に引き付けられる…というもの。さらにこの時、敵の武器ダメージは25%減少する。…この「装甲ノイズメーカー」を「リチャージ」で発動。加えて、キャラクターにシールドを張ってくれるコンバットオーダー、「バリア―」を「ホルト」に対して追加発動したらどうだろう?

「装甲ノイズメーカー」によって敵の攻撃は「ホルト」1人に集中、しかし「リチャージ」の攻撃力ダウン効果と「バリア」のシールド効果によって、「ホルト」のダメージはほとんどない。そしてこの隙に、他の仲間キャラクターが敵をガンガン攻撃してくれる!

…こんな風に「リチャージ」を使いこなせば、多彩な戦術が行える。ただ、そのためには各キャラクターのアビリティをしっかり把握しておかなければならない。ストラテジー系のゲームが好きな人なら、「楽しい!」と思えるポイントだ。ただその一方で、スマホRPGとしては、面倒に感じてしまうという人もいるだろう。このため本作の難易度は、「リチャージ」を駆使しなければクリアできないようなものにはなっていない。キャラクターのレベルを上げ、攻撃系のコンバットオーダーである「航空支援」と、回復系スキルである「コンバットエイド」を連発するゴリ押しプレイでも、十分進行可能な難易度だ。

■課題は不具合の改善とトム・クランシーらしさ

世界的なゲームデベロッパーであるユービーアイソフトがリリースするだけのことはあり、本作はスマホRPG新作として高いクオリティを持った作品だと思う。「リチャージ」によってキャラクターのアビリティをどう使っていくか考えるバトルは楽しいし、3Dグラフィックのクオリティも高い。しかし、課題も残されている。

課題のひとつは、不具合だ。現在、プレイ中にフリーズしてしまう不具合が存在しているようだ。今回プレイ中に3回ほど発生したので、再現率はそこそこ高い。筆者の使用している端末(iPhone 11 pro)に固有の問題なのかもしれないが、ストアのレビューなどを見ると、他の端末を使用しているユーザーも報告を上げているので、恐らくアプリ内に何らかの不具合があるようだ。ユービーアイソフト側も既に不具合改善に着手しているだろうが、早期の改善を期待したい。

課題のふたつめは、筆者の個人的な感想に基づくものだが「トム・クランシーらしさ」。これは本当に本当に個人的な思い入れなのだが、「トム・クランシー」の名が冠せられる時、それは単なる「ミリタリー系」とは違う意味を持つように思う。たとえば「レインボーシックス」でも「ゴーストリコン」でもそうだが、単なるミリタリー系FPSではなく、ミリタリー系の要素と独自のゲームシステムとをしっかり融合させ、昇華させてきたように思うのだ。この点からすると本作は、「トム・クランシー」の世界観は確かに継いでいるが、ゲームシステム部分で「トム・クランシーらしさ」が足りないように感じた。「リチャージ」を使ったコンバットオーダーとアビリティの連携については新鮮な楽しさを感じたのだけど、もう一押し欲しいと感じてしまったのだ。

…と、個人的には若干残念に感じたところがあるものの、先に書いた通り本作は、スマホRPGとして高いクオリティを持つ作品だ。スマホRPGファン、ミリタリーファン、そしてトム・クランシー作品のファンは、是非自分の目で確認して欲しい。できれば「リチャージ」が使えるようになる段階までプレイすることをおススメする。

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