若き文楽三味線奏者 鶴澤寛太郎に密着、コロナ禍での苦悩と模索、公演再開の喜び

文化放送をキーステーションに全国32局ネットで放送するニュース番組「ニュースパレード」は、その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介する番組です。恒例の「夏企画」。今年のテーマは「新型コロナウイルスと向き合う」です。

8月31日(月)は、ラジオ大阪アナウンサー 藤川貴央が、約半年ぶりに再開した国立文楽劇場の舞台に立つ文楽三味線奏者 鶴澤寛太郎さん(33才)を取材し、若き奏者のコロナ禍での苦悩と文楽公演再開に密着した模様が放送されます。

8月22日(土)、大阪市中央区日本橋の国立文楽劇場で「素浄瑠璃の会」が行われました。正面玄関には、半年ぶりに色とりどりの幟が上がり、再開を待ちわびた観客を迎えました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため客席に間隔を設け、観覧人数は半分に減らされましたが、使用しない座席には人形に着せる衣装の柄がプリントされた紙が貼られて華やかな雰囲気。文楽劇場らしい粋なソーシャルディスタンスです。入場時の検温はもちろん、チケットのもぎりも観客自ら行うなどの対策がとられました。

最初の演目は「日吉丸稚桜(ひよしまるわかきのさくら)」。寛太郎さんが三味線を務めました。主人公は豊臣秀吉で、心中などの悲劇が多い文楽には珍しく縁起の良い“出世もの”です。

文楽三味線奏者 鶴澤寛太郎(33才)

「素浄瑠璃の会」は人間国宝 豊竹咲太夫さんをはじめ、大ベテランが顔を揃えます。寛太郎さんは「この企画に出して頂くには余りにも未熟で飛び級感がありますが…芸を磨く上で転機になる演目として、どのような演奏を今の僕がするかというのを聴きに来て頂ければ」と意気込みを語っていました。本番では、竹本錣太夫さんの語りを、華やかな演奏でドラマティックに盛り上げ、藤川アナウンサーは取材を忘れて物語の世界に引き込まれたといいます。

感染症対策として一時は稽古場も閉鎖され、寛太郎さんは自宅での稽古を余儀なくされたと言います。「三味線を手にできない中で何ができるかな? 再開に向けて繋がる何かがあるのかな?」と考え、SNSを強化したり、動画配信に向けて勉強をしたりして過ごしたという寛太郎さん。“お喋り”の才能も生かして、ラジオ大阪の番組『寛太郎とたかおのツレビキ!(水曜深夜11時30分)』でも情報や思いを発信しています。

ラジオに出演する寛太郎さん

出番を終えた寛太郎さんは「無事に舞台に立てたことが大きな一歩。お客さんがいる客席は嬉しいですね。当たり前だったことが全然当たり前ではなくなっていたので、感慨深い景色でした。」と喜びを噛みしめていました。

今回の公演は8月29日(土)から、株式会社イープラスが提供する動画ストリーミングサービス「Streaming+」で有料配信されます。

詳しくは国立文楽劇場のホームページをご覧下さい。

ニュースパレード

放送局:文化放送 他32局ネット

放送日時:毎週月曜~金曜 17時00分~17時15分
※放送局によって日時が異なる場合があります。

出演者:鈴木純子、藤川貴央(ラジオ大阪アナウンサー)

番組ホームページ

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