遠い夏の光【駅ぶら03】京浜急行151

津久井浜駅から三浦海岸駅までは複線区間でした。トンネルもありません。地上から築堤上に換わって三浦海岸駅に到着しました。

これは上りホームから終点の三崎口方面、見えているシーサス・クロッシングで終点の三崎口駅までは単線区間になります。

京急久里浜方面です。トップ画像はこれを望遠レンズで撮ったカットです。

高架ホームなので駅周辺が見下ろせます。駅の北西側はバスロータリーになっていて一般車両は進入禁止。三崎口側を見ています。

バスロータリーの向こう側に京急ストアがあります。横は駐車場。

京急久里浜側は京急バスの案内所があります。広い更地は夏期など大型観光バスが駐められる様になっているのでしょうか。

せっかくなので上りホームに移動して駅周囲を見下ろします。こちらは京急久里浜側。こちらにも駐車場があります。

三浦海岸と言えばサクラ。残念ながら駅前の河津桜は咲き終わって葉桜になっていました。撮影は2020年3月12日。

下りホームからは逆光だったので上りホームで駅名標を撮りました。

三浦海岸駅は、1966年(昭和41年)久里浜線の終着駅として開業。駅が計画された時点では所在地名から「上宮田駅」でしたが、海岸線を「三浦海岸」と呼び新しい観光名所にしようと「三浦海岸駅」にされました。筆者なども子供の頃から「三浦海岸」は海水浴と結びついた地名として記憶しています。「鎌倉の海よりもずっとキレイだよ」と同級生が言っていたのです。

1969年(昭和44年)ホーム長が12両編成対応に改修されました。1975年(昭和50年)久里浜線が三崎口駅まで延伸され途中駅になります。2018年(平成30年)駅舎が新しくなりました。

地上の改札口に降りました。

駅出入口。改札の右には懐かしい有人改札口が残っています。夏期の多客時には使われるのかな。

駅前広場になっています。右の河津桜の下には地元の方が集まっています。皆様歓談中。

自販機にかわいらしいオーナメント。右上の行先表示が三浦海岸になっています。

駅前広場の三崎口側にも河津桜が数本あります。満開の写真を見るととても見事です。二~三週間早く来れば良かったですね。でもふつうのソメイヨシノは、この時点ではまだ咲いていないのです。

余談ですが、自分が子供だった頃は、関東では鎌倉、両親が関西出身だったので関西では西宮の海岸で海水浴したことを思い出します。学生時代はバイクで早朝の国道1号線を飛ばして国府津辺りの遊泳禁止の浜で寝転がっていました。人がいなくて気持ち良かったのです。トップレスの女性がいてビックリした記憶があります。

友人の別荘が八丈島にあって一夏過ごしたコトもあります。八丈島は岩場の海岸でほとんど泳げず、窪田般弥訳の『カザノヴァ回想録』(全15巻 河出書房新社)を別荘にいる間に読了した夏でした。友人は横でジョルジュ・バタイユを読んでました。学生時代、我々のアイドルが3B(André Breton、Georges Bataille、Roland Barthes)だったのです。しかし、メチャクチャな組み合わせだなぁ。

夜は「くさや」で一献しながらエロティシズム論争。その友人も鬼籍に入ってしまいました。

遠い夏の思い出です。

今、書架に残っているのはみすず書房のロラン・バルトだけ。ブルトン全集(人文書院)もバタイユ著作集(二見書房)も(澁澤龍彦訳のエロティシズムを除いて)処分しちゃいました。ロラン・バルトなんて今はあまり読まれないのかなぁ。

では三浦海岸を散歩します。【駅ぶら03】京浜急行152 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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