【新型コロナ】異例の夏・コロナ禍の神奈川ビーチ 地道な周知、安全策奏功

大きな事故もなく「異例の夏」を終えた鎌倉市の由比ケ浜海岸。人出は例年の3割程度だったという。

 新型コロナウイルスの影響で県内の全25海水浴場の開設が見送られた神奈川の「異例の夏」に、湘南や三浦半島の海岸で取り組んできた安全対策が31日に終わった。海水浴場が開かれなくても多くの海水浴客が詰め掛けたが、第3管区海上保安本部などによると、同日までに25エリアでの死亡事故はゼロ。「無法地帯化」を防ぐために汗を流した関係者らは「大きな事故やトラブルもなく穏やかな海を守れた」と胸を張った。

 「新型コロナ防止のため海水浴場は開設されておりません」「海岸では飲酒をしないでください」─。

 お盆の逗子海岸。家族連れや若者らでにぎわう砂浜に、逗子市のマナー条例の放送が響いた。海の家組合や市職員、警備員らが毎日巡回。海上パトロールにも多くの市民も協力して地道な周知を重ねた。

 「飲酒トラブルや大事故はなく、出来過ぎなくらい穏やか。地域の対策が功を奏した」と市の担当者。藤沢や鎌倉市、葉山町の関係者もそう口をそろえた。

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