長崎の公立小中学校 特支学級設置 10年間で2倍、免許保有は2割どまり

県内特別支援学級と特別支援教員免許を保有する教員の推移

 長崎県内公立小中学校に設置されている特別支援学級は本年度988学級で、過去10年間で約2倍に増加したことが県教委の調査で分かった。一方で、担任が特別支援学校の教員免許を保有している割合は約2割にとどまる。県教委は「免許を持っているほうが望ましいが取得には時間もかかる。教員の専門性を高めていくことで対応したい」として、研修の強化などを図る。
 県教委によると、特別支援学級は一般の教員免許で指導ができる。ただ、文部科学省は「専門性の観点から特別支援の免許保有が望ましい」としている。小中学校の教員が特別支援の免許を取得する場合、4年ほどかかるという。
 県内公立小中学校の特別支援学級は、2011年度の481学級から年々増加。県教委は「社会的な理解が深まり、子どもを特別支援教育の中で学ばせたいというニーズが高まったことが背景にある」と分析している。
 県教委は認定講習などを通じて特別支援の免許を保有する教員を増やし、11年度の160人から本年度は約1.4倍の219人となった。しかし、学級の増加ペースに追い付かず、保有率でみると33.3%から22.2%に下落。15年度以降は全国平均の30%前後を下回る状態が続く。
 県教委は教員に免許取得を促しつつ、教員の指導力向上に力を入れる。昨年度は県内9市町に高い専門性を持ったベテランを指導教員として配置。近隣学校の担任教員と一緒に授業をしたり、助言をしたりして支援体制を構築。特別支援学校と小中学校間の交流人事を継続し、研修を強化する方針。義務教育課は「学校全体の意識を高め、特別支援教育の強化を図っていきたい」としている。

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