元寇の犠牲者に祈り 激戦地の松浦・鷹島

元寇の犠牲者を慰霊した元寇記念祭=松浦市、宮地嶽史跡公園

 約740年前の元寇(げんこう)の激戦地の一つだった松浦市鷹島町で8月30日、元寇で犠牲となった兵士や島民らの霊を慰める元寇記念祭があった。
 鷹島は文永の役(1274年)、弘安の役(81年)の2度にわたる元寇の激戦地。記念祭は同町阿翁(あおう)免に「元寇記念之碑」が建立された1915年に始まり、毎年8月30日に開催している。
 記念祭は漁協や農協、商工会などの青年部有志でつくる実行委の主催。例年なら宮地嶽史跡公園内の同碑の前で記念祭をした後、市鷹島総合開発センターで式典があるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため式典を取りやめた。
 記念祭には実行委、阿翁地区の住民代表ら約10人が参列。神事で犠牲者の冥福を祈った。実行委の小林大輔委員長(42)はあいさつで「100年以上続いている祭り。新型コロナウイルスのため今年は規模を縮小せざるを得なかった。来年は元に戻せるようにしたい」と述べた。

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