男女とも日本で徐々に認知度が高まってきているラクロス。実はアメリカが世界で最も盛んであることをご存知だろうか。今回は特に、格闘球技といういかつい名前をほしいがままにしている男子ラクロスを中心に紹介したい。
2028年のロサンゼルス五輪では正式種目候補に
皆さんは「ラクロス」というスポーツを知っているだろうか?
「プリキュアがやってたよね?」
「棒の先にある虫取り網を振り回すやつ?」
…と、さまざまな言われようだが、日本でも男女とも大学生を中心に徐々に競技人口を伸ばし、競技人口は18,000人にのぼる(日本ラクロス協会より)。最近では、元サッカー日本代表で「ボンバー」の愛称で知られる中澤 佑二さんが引退後すぐに大学の女子ラクロス部のコーチに就任したことが驚きを持って伝えられた。このようにまだ日本ではマイナースポーツの域を出ないのだが、実は世界中には約60万人のラクロッサーがいると言われている。特にアメリカではプロリーグがあるほどの人気があるそうだ。
このラクロス、2028年に開催が予定されているロサンゼルス夏季五輪の正式種目候補になっており、お茶の間でみられる日も近いかもしれない。正式種目になる基準はさまざまあるようだが、アメリカが金メダルをとる可能性が限りなく高いこともあり、正式種目へと推薦する流れも活発だという。日本が勝てるかどうかはともかく、全世界へラクロスが広がることは元ラクロッサーとしては嬉しい限りである。
ラクロスが「格闘球技」たる由縁とは?
実は男子がプレイするラクロスは「地上最強の格闘球技」という異名をもつ。この異名が全世界共通であるかどうかは定かではないが、一度下の動画を見てほしい。この異名があながち間違っていないことがおわかりなるかと思う。
この動画は、アメリカの大学スポーツ協会NCAAの公式戦の様子である。ご覧の通り、頭と背中以外であればクロス(金属製のスティックの先に網状の部位がついた道具)で叩くもよし、タックルするもよしで、衝撃を受けた側は失神するほどの強度にもなる。ある記事によると、NCAAにおける男子ラクロスプレイヤーの平均身長と体重は、それぞれ182cm、84kgだそう。アメリカンフットボールに比べると薄い防具で巨体から猛烈にタックルを受けることを考えれば、その衝撃を想像することはたやすいだろう。
また、実はラクロスのボールにも「格闘球技」たる由縁が隠されている。このボールは中身がくり抜かれていない硬いゴムでできており、投げたボールに当たると非常に痛いのだ。男子ラクロスのシュートは160km/hを超えるというから、私は絶対にゴーリー(サッカーでいうゴールキーパー)にはなりたくないと思っていた。
それでも観ている分には迫力があってとても面白いラクロス。2028年のロサンゼルスオリンピックの少し早い予習だと思って、観戦してみてはいかがだろうか。