「新型コロナを本当に消毒できるのはどれ?」北里大学で流通している消毒液の有効性を検証

1日、北里大学大村智記念研究所の研究グループは、市場に流通している医薬部外品・雑貨、および医療現場で使用されている消毒剤を対象とする、新型コロナウイルス不活化検証試験を行い、その効果を 調査、発表した。概ねアルコール系消毒剤、ハンドソープ類、台所用洗剤などの消毒効果は認められたが、一時期話題となった次亜塩素酸水系の商品は効果が不十分であることが明らかになった。

商品名も含めて公表 次亜塩素酸水系の消毒効果は認められず

北里大学は言うまでもなく、破傷風菌の抗体を発見し血清療法を確立した世界的研究者、北里柴三郎が設立した研究所が前身となっている。そのため開学から伝染病、感染症研究を強みとしており、今回のコロナ禍でも「北里プロジェクト」と銘打って様々な研究を行なっている。

その一環として、感染予防に不可欠とされる消毒液について、市場に流通する消毒・殺菌を標榜する商品を幅広く調査し、商品名も含めて一覧表にして発表している。

評価方法は30,000個の新型コロナウイルスが培養された溶液を、各商品の濃度を調整して混合、1分間および10分間放置して消毒効果を調べた。結論から言えば、アルコール系消毒液、ハンドソープ類、台所用洗剤は十分な効果が得られたものの、次亜塩素酸ナトリウムの消毒効果は、厚生労働省が推奨する濃度では十分な結果は得られなかった。

また研究チームでは、医療機関で一般に使われている消毒液についても効果を検証したところ、不活性化効果が不十分な製品が散見され、医療機器の消毒方法の見直しが必要だと思われるとしている。

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