台風9号 長崎県きょう最接近 五島市などで臨時休校

台風に備え、漁船を岸壁に係留する漁業者ら=1日午前6時40分、五島市福江町

 非常に強い台風9号は東シナ海を北上し、2日夕方から夜の初めごろにかけ、長崎県に最接近する見通し。長崎地方気象台は暴風や大雨に加え、潮位が高くなる大潮の時期に当たるため、高潮にも警戒を呼び掛けている。
 同気象台によると、本県には非常に強い勢力で最接近。早い所で2日未明には風速15メートル以上の強風域に入り、同夕には同25メートル以上の暴風域に入る所がある見込み。
 2日に予想される波の高さは、五島12メートル、壱岐・対馬、南部10メートル。最大風速は五島と壱岐・対馬の海上で35メートル、南部と北部の海上で25メートル。1時間雨量は多い所で五島の60ミリ。
 県教委によると、2日は五島市や新上五島町など3市3町と佐世保、壱岐両市の一部の小中学校で臨時休校。ほかの市町の小中学校でも下校時間を繰り上げる対応を取る。
 2日の交通機関にも影響が出ており、本土と五島、上五島などを結ぶ高速船とフェリーは全便欠航。格安航空会社(LCC)ジェットスターは長崎-成田の1往復2便の欠航を決めた。
 五島市福江町の港には1日午前7時前から地元漁業者が集まり、両岸にロープを渡し密集させた船を係留。渡充也さん(63)は「今回の台風は進路も強さも最悪。気を付けないといけない」と表情をこわばらせた。
 対馬市美津島町小船越地区では多くの漁船が入り江に避難。築城茂徳さん(70)は「今回は大潮と重なり、満潮時の高波や川の氾濫などで浸水被害が出ないか心配だ」と不安げに話した。

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