新型コロナ治療薬の共同研究 長崎大、ラクオリア創薬と開始

 長崎大は1日、創薬ベンチャーのラクオリア創薬(名古屋市)と新型コロナウイルス感染症の治療薬の共同研究を同日から始めたと発表した。感染者の体内でウイルスの増殖を阻害し、発症や重症化を抑制する治療薬を目指す。
 共同研究を担当するのは同大熱帯医学研究所の安田二朗教授と櫻井康晃助教。エボラウイルス病(エボラ出血熱)など新興感染症で高い研究実績があり、世界レベルの感染症研究や治療薬の開発に携わっている同大に対し、同社が共同研究を提案した。
 同社が治療薬の候補となる低分子化合物を合成・評価し、安田教授らが新型コロナウイルスを使い、細胞や動物を使った実験で効果を検証する。
 国内外で承認された新型コロナの治療薬は、米製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬「レムデシビル」などごくわずか。治療薬の開発は世界的な課題となっている。
 櫻井助教は取材に対し、「現時点で強力な治療薬はほとんどなく、世界的な課題に貢献できれば光栄。臨床試験を狙える可能性がある治療薬候補が来年中に見つかれば」と話した。

 


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