【MLB】頭部への162キロで遺恨 一触即発の睨み合い、レイズ指揮官は“報復予告”?

ヤンキース対レイズ戦の終了直後に両軍ベンチから選手らが飛び出す事態が発生した【写真:AP】

キッカケは田中将大の死球?「ウェンドルは死球は偶然ではないと信じている」

■ヤンキース 5-3 レイズ(日本時間2日・ニューヨーク)

ヤンキースの田中将大投手が今季初勝利をマークした1日(日本時間2日)の本拠地でのレイズ戦。日本人右腕が6回3安打2失点と好投して白星を掴んだ一戦は、後味の悪い幕切れとなった。

ヤンキースが2点をリードして迎えた9回のレイズの攻撃だった。2死から打席に立ったマイケル・ブロソーへの初球。ヤンキースの守護神アロルディス・チャップマンが投じた100.5マイル(約161.7キロ)はブロソーへの頭部付近へ。間一髪のところでブロソーが回避したものの、不穏な空気が流れた。

チャップマンがブロソーを空振り三振に切って取ると、レイズサイドの怒りが爆発。ブロソーが声を荒げてチャップマンとヤンキースに向けて抗議の矛先を向けると、両軍の監督、選手らがベンチを飛び出して睨み合いに。ブルペンにいた投手陣も駆けつけ、一触即発の事態となった。

乱闘こそ避けられたものの、両軍の怒りはおさまらず。MLB公式レイズ番フアン・トリビオ記者が自身のツイッターで伝えたところによると、レイズのケビン・キャッシュ監督は「馬鹿げている。もうたくさんだ。ヤンキースによる間違った行いだ。(ヤンキースは)あわれな判断。あわれなコーチング。あわれなティーチング」とヤンキースサイドを非難した。

2018年に起きたサバシアの“報復死球”から因縁が続くヤンキースとレイズ

両チームには2年前からの“因縁”があった。当時ヤンキースのCC・サバシア投手が、レイズ選手に死球を与えた。直前に味方が頭部付近へのビーンボールを浴びており、その報復の死球だった。ここからヤンキースとレイズの間には遺恨が勃発。今年の8月8日(同9日)のダブルヘッダー第2戦でもレイズの投手が再三、頭部付近への投球を繰り返し、これに抗議したブーン監督らが退場になっていた。

この日、初回には田中が3番のウェンドルに死球を与えていた。米ヤフースポーツは「レイズは試合の序盤からヤンキースに狙われているように感じていた。具体的に言うと、ジョーイ・ウェンドルはマサヒロ・タナカが初回に彼に死球を当てたのは偶然ではないと信じている。レイズは8イニングにわたってその投球についてイライラしていた。そして9回にチャップマンが100マイルの速球をマイケル・ブロソーの頭部のあまりに近くに投げたときに、我慢の限界がきた」と伝え、田中の与えた死球が事の発端にあったのでは、と見ている。

トリビオ記者によれば、キャッシュ監督は「3年前には私たちの選手から故意に投じられた球は1球もなかった、と断言できる。誰かに責任がある。そして最後に言っておくが98マイル投げられる投手がこちらにはたくさんいる」と半ば脅迫とも取れる言葉を発し、これに対してブーン監督は「それはかなり恐ろしいコメントだ。それが全く適切だとは思わない」と反応したという。ただならぬ空気の中で試合が終わった一戦。2日(同3日)の試合に尾を引かぬよう願いたいものだ。

【動画】162キロの剛速球が頭部を襲う… チャップマンの投球から両軍が睨み合うまでの一部始終の映像

【動画】162キロの剛速球が頭部を襲う… チャップマンの投球から両軍が睨み合うまでの一部始終の映像 signature

(Full-Count編集部)

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